いろいろと悩んだ結果、退職する事を決めた。あとは上司や会社に伝えるだけ。しかし、そこで悩む人は多いものです。
引き止められないだろうか?退職を素直に認めてくれるだろうか?仕事を投げ出したと思われないだろうか?厳しい上司に叱られないだろうか?円満に退職できるのだろうか?など、不安に感じるものです。
退職の伝え方を間違えると、引き止められたり、反感を買ったり、思いもよらない受け取り方をされる場合があります。その結果、退職しにくい状態になったり、退職の段取りがスムーズにいかない事も考えられます。
そこで、退職を上手く進めるために、退職の切り出し方について考えてみましょう。
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退職を切り出すタイミング!いつ・どのように切り出せばい?
この記事の目次
切り出す時期
退職の切り出し方で注意したいのは、切り出す時期、タイミングです。このタイミング次第では、相手の受け取り方が変わる場合もありますので、しっかりと考えましょう。
当サイトで退職経験者100名に実施したアンケートでは、退職の1ヶ月前に伝えたという割合が最も多かったですが、実際にはどうなのでしょうか?
最初に押さえておきたいのは社内のルールです。通常、就業規則の中には退職に関する事項が記載されています。『退職は1ヶ月迄に申し出る事』など、退職を申し出るタイミングが定めてある場合は、それに従います。
就業規則は会社の業務や労務管理の基本です。退職の申し出を受けた上司や人事部門は、まず就業規則のルールを確認し、それに沿っていない場合はルール通り行うように指摘するでしょう。
民法では労働契約は解約の申し出から2週間を経過すると解約できる事になっています。つまり、法的には退職の申し出は2週間前で良い事になります。
しかし、業務の引き継ぎ等を考慮した上で、就業規則に退職を申し出る時期を定めている会社は多いものです。つまり、円満に退職する為には、まず社内のルールを守る事が大切です。
社内のルールを確認したら、あとはできるだけ迷惑にならない時期を選ぶ事も大切です。会社の繁忙期はもちろん、組織変更の時期、各種行事の前後は避けた方が良いでしょう。
話しかけるタイミング
退職を切り出す日を決めたら、次は話しかけるタイミングです。まず大切なのは、どのようなタイミングなら心が落ち着いていて、冷静に受け止めてくれるのか、相手の立ち場に立って考えることです。
通常、「朝」は気分的にも落ち着いていて、物事を冷静に考える事ができる時間帯です。「日中」は勤務時間の中心になる為、通常は仕事に集中しているケースが多いでしょう。
「夕方」や終業前は仕事が落ち着いてる事が多いですが、疲れている事もあり、退職という人事や体制に大きく関わる問題を受け止めるのには、あまり適していないでしょう。
しかし、人によって仕事のスケジュールや段取り、仕事の状況は異なります。話しかけるタイミングについては、基本を押さえた上で、上司に話す場合は、上司の一日のスケジュールを確認する事も必要です。
例えば、定例の打ち合わせが朝に行われていたり、前日の仕事の処理が残っていたり、トラブルの対応をしている場合は、朝は避けたほうが良いでしょう。
できるだけ相手の立ち場に立って考え、相手の気持ちが落ち着いている時間帯、冷静に受け止めてくれる時間帯を選びましょう。
どこで退職の意思を伝えるか
次に、退職の意思を伝える場所も大切です。部下の退職は切り出される上司にとっても重要な話です。また、職場にも影響を与える話であり、噂や憶測に繋がりやすい話題ですから、周囲に聞こえない方が良いでしょう。
職場であれば、周囲に人がいない時間帯やタイミングを選びます。できれば、上司に「少しお時間をいただけますか」などと断り、会議室などの個室に移動した方が良いでしょう。
営業の外回りなどで上司と同行する場合は、移動中の車内や、休憩中の喫茶店なども落ち着いて話ができる場所です。その場合は、仕事の状況や相手の気持ちが落ち着いているか、よく確認しましょう。
他にも、職場や仕事の状況で場所は異なりますが、基本的には1対1で落ち着いて話ができる場所を選びましょう。
どのように伝えればいいか
退職を申し出る時期や当日のタイミング、場所を決めたら、あとはどのように伝えるかです。最初の一言はとても緊張しますし、本題の切り出し方で話の展開が変わる可能性もあります。
既に大切な話がある事を伝えていたり、1対1で対面していますので、上司は重要な話である事を予想しています。そこから、まわりくどく話をはじめるよりも、最初に退職の意思を伝えたほうが良いでしょう。
「実は退職したいと思っています」「急で申し訳ありませんが退職させて下さい」など、まず本題である退職の意思を伝えた上で、理由の説明に入ると良いでしょう。
伝える内容としては、
- 退職の意思
- 退職の理由や経緯
- 希望する退職の時期
- 業務の引き継ぎに関する事期
この4つについては準備しておく必要があります。
上司の性格やその時の気分によっても反応は異なりますが、落ち着いて伝える為には、相手の反応をイメージして、繰り返しシミュレーションするなど、しっかりと準備しておきましょう。
退職理由の伝え方!【例文つき】
退職理由については人それぞれですが、伝えるときに本音を伝えるべきか迷うものです。嘘をつくのはバレた時や、話のつじつまが合わなくなるリスクがありますから、できるだけ避けましょう。
しかし、ネガティブな理由の場合、正直に話すのは難しいものです。そこで大切なのは「円満に辞める為には建前も必要」という考え方です。以下の「退職を決めた理由」と「会社に伝えた退職理由」の比較をご覧ください。
これは当サイトが退職経験者の正社員100名に退職理由について実施した独自アンケートの結果です。
アンケートから分かったことは、人間関係などネガティブな理由で辞める際は、嘘の退職理由を伝えて辞める方が多いということです。人間関係で退職を決めた方が27%に対し、それを辞めるときに本音で伝えた方は6%しかいませんからね。残業・休日出勤が多いなど労働環境が原因で辞めた方も同様です。
そのため、辞める理由がネガティブで会社に本音で伝えにくい場合は、「他にやりたい仕事が見つかった」「結婚・子育て・介護など家庭の事情」「体調不良など健康上の理由」などの嘘の理由で辞めても問題ないです。
嘘をついても90%以上は特に問題なく退職できたと回答しています。「引き止めにあった」と何名かは回答していましたが、固辞して押し通すことで最終的には退職できています。
そのため、最終的には円満に退職できるかどうかを判断基準にして、本音で伝えるのか、建前で伝えるのかを考えてみましょう。
本音で伝えていいケース
結婚による退職
結婚はおめでたい事であり、通常は祝福したいと感じるものです。結婚による退職は伝えやすく、受け入れやすいでしょう。但し、「結婚だから当たり前」という姿勢にならないように注意しましょう。
結婚後も仕事を続けて欲しいなど、引き止められる場合もありますので、「家事に専念したい」「新生活を優先したい」「相手の仕事を支えたい」など、仕事が続けられない理由も用意しておきましょう。
体調不良や病気による退職の伝え方
体調不良や病気が理由の場合は、ある程度、上司も状況を理解している場合が多いでしょう。特に体調不良や病気により休んだり、休職している場合は、より受け入れやすいと言えます。
個人情報も含まれる為、どこまで詳しく病状を伝えるかは状況によりますし、上司にとっても、あまり立ち入って質問しにくいものです。
その為、仕事が続けられない状況をできるだけ丁寧に説明すると、より理解してもらいやすいでしょう。
キャリアップしたい
キャリアアップが退職理由の場合、基本的にはポジティブな理由ですから、できるだけ応援したいと思わせるような説明が良いでしょう。
上司によっては退職しなくても、今の仕事や職場、社内の異動などでキャリアアップできないか模索し、引き止める可能性もあります。
その為、今の会社ではできない理由や、上司が引き止められないような理由を含めると良いでしょう。
やりたいことがある
異業種への転職や独立、改めて勉強し直すなど、今の仕事とは全く異なる道へ進む為に退職する場合もあります。この場合は、進みたい道を明確に伝えましょう。
上司によっては、仕事でのあなたの適性や、性格などをよく理解している場合があります。その上で、本当にあなたの将来を心配して引き止める事も考えられます。
その為、その決断に対して迷いを見せないように、強い決意が伝わるような説明をしましょう。
【補足】新卒で仕事を辞める
新卒で退職する場合、なかなか言い出せないものです。仕事の経験もまだまだ少ない状態であり、仕事の面白さ、やりがいを感じる前の段階での退職は、なかなか受け入れられないものです。
また、新卒に対しては、採用や入社後の基礎教育などに大きな費用がかかっており、これは会社にとっても投資です。その為、なんとか定着してもらい、戦力になって欲しいという思いがあります。
しかし、その反面では、仕事の適性はやってみないとわからない、若い時には将来への迷いがある、など、新卒が退職する事に対して、ある程度の理解はあるものです。また、全ての新卒が活躍するとは思っていません。
やり直すなら早めの方が良い。それは社員も会社も同じです。また、社会経験が少ない新卒の嘘はバレやすいものです。思い切って、本音で退職を伝えた方が良いでしょう。
本音以外の退職理由については、「新入社員で退職する際のおすすめ理由5つ!ただ「辞めたい」と伝えるだけでは引き止められるだけです。」でご紹介していますので、ご参考にしてください。
嘘の退職理由を伝えていいケース
人間関係が理由
退職理由の中でも人間関係は上位に挙げられるほど多いものです。人間関係にも性格の不一致や相性の悪さから、パワハラやセクハラなど、程度や重大さに差があります。
パワハラやセクハラといった問題はもちろん、特定の人に問題があり、それが繰り返されるようなケースであれば、それは会社の管理上の責任も問われる為、できるだけ事実を伝えるべきです。
しかし、性格の不一致や相性の悪さなどの人間関係については、関係を更に悪化させたり、退職までの引き継ぎ期間に煩わしい思いをする場合もありますので、正直に言いたくない事もあるでしょう。
その場合は、引越しや介護などの家庭の事情、その会社では実現できないキャリアアップなど、引き止め難い別の理由で伝えても良いでしょう。
給料が低い
給料や休日などの処遇は仕事を選ぶ上でとても大切な要素です。特に給料の額は生活に直結する大切なものであり、実際にお金が必要な状況になり転職を決意する人もいるでしょう。
上司も処遇に対する不満が退職理由の場合、上司の立ち場では給料を増やすことも休みを増やすこともできない事が多く、退職を引き止める事は難しいものです。
その為、給料が低い事は上司から引き止められない理由としては適しています。しかし、その場合には伝え方に注意が必要です。
単純に給料が低い事を理由にすると、お金だけで仕事を選んでいると思われてしまい、仕事に対する考え方や人間性を疑われる可能性があります。
今の給料が低いという事だけでは無く、生活面の変化や、今よりもお金が必要になる理由をできるだけ伝えて、より給料の高い仕事に就きたいという伝え方が良いでしょう。
会社の体制への不満が理由
会社に改善を求めても変わらない、会社の将来に希望が持てないなど、会社の体制への不満が退職理由になる場合もあります。
その場合、本音で伝えるべきか、建前で伝えるべきかは上司の立ち場によっても異なります。不満に感じている体制に上司が含まれている場合は、上司に対する不満ととられる場合があります。
その場合は建前で別の理由を伝えた方が良いでしょう。体制への不満が、上司も同じように共感できる内容であれば、退職を受け入れられやすい場合もあります。
いずれにしても、上司の社内での立場や、考え方をよく理解した上で、伝え方を考えたほうが良いでしょう。
仕事が合わない・仕事ができない
その仕事が自分に合っているかどうか、仕事の適性は実際にその仕事を経験しなければ判らないものです。どうしてもその仕事が自分に合わない、失敗を繰り返す、やりがいを見いだせない。
それが退職理由になる事もあります。本音で伝えた場合、「適性については入社時に十分考えたはず。」「仕事に対する我慢が足りない。」そう考える上司もいるでしょう。
場合によっては仕事の姿勢や考え方を正すべきだ、努力するべきだと、退職を引き止められる可能性もあります。特に繁忙期や人手不足、退職者を出したくない状況では引き止められやすいでしょう。
【まとめ】
本音で伝えにくいに場合は、上述した「本音で伝えていいケース」でご紹介した退職理由を使いましょう。
上司への退職の伝え方の注意点6つ
電話での退職の意思表明は原則NG
退職の意思表明は緊張するものです。だからと言って、病気や怪我などよほどの事情がない限り、電話での意思表明は原則NGです。しかし、退職の話をする為のアポイントを取る場合は、電話でもOKです。
など、あくまでも相談として面談を申込むと良いでしょう。また、予め退職の相談をしている場合は、退職について正式な答えを出したい旨を伝えましょう。
メールでの退職の意思表明も原則NG
最近はメールでのコミュニケーションが浸透しており、仕事においても社外、社内を問わず、メールを活用する場面が多くなっています。それに伴い、上司への相談や連絡もメールで行うケースも増えています。
しかし、退職については、仕事上、労務管理上で最も大切な報告であり、面談できない事情が無い限り、メールでの意思表示はNGです。ただし、面談を申し込む目的であれば、メールでも良いでしょう。
アポイントを取る場合は、こちらの希望日時や空いているスケジュールを明示するようにしましょう。また、メールの返事が来る前に本人に会った時には、直接、メールを送った旨と、その内容を説明しましょう。
原則、上司より先に同僚に伝えてはいけない
人事に関する話、特に退職に関しては、社内で噂になりやすい話題です。よほど親しくて口の堅い同僚であれば別ですが、退職の話を同僚などに伝えると、上司の耳に入る可能性が高いでしょう。
上司はあなたの仕事や労務管理に責任があり、退職などの人事は特に重要な事です。それが本人からでは無く、周囲から伝わった時、上司は良い思いをしないでしょう。
自分が上司として信頼されていないと感じ、あなたに対しても、上司よりも同僚に伝えるのは社会人として非常識だと感じるものです。
そのような状態で、改めて上司に退職の申し出をしても、真からの協力は得られないでしょう。退職の意思は、まず上司に伝えましょう。
転職先を聞かれても会社名まで教える必要はない
上司によっては転職先を聞いてくる場合があります。教えたくない場合は無理に教える必要はありません。しかし、転職先が決まっていないと嘘をつくのはお勧めしません。
なぜなら、それを理由に退職を引き止められる可能性がある為です。転職先が決まっている事を伝え、曖昧にしたい場合は業種や業界、規模などの説明に留めたり、知られたくない事を正直に話しても良いでしょう。
ただ、転職先の会社名を教えることは特に問題はないでしょう。転職先に連絡したり、転職の邪魔をするようなケースは希です。そのような心配がある上司には伝えない事です。
いずれにしても、転職先は伝えても伝えなくても良いものですから、上司との関係性やその時の話の流れで判断しましょう。
退職願は退職交渉後に出す
退職の申し出は法的にも口頭で構いませんが、言った言わないのトラブルを避ける為にも、退職願や退職届といった書面で提出します。
しかし、いきなり書面で退職の意思表示をされると上司も困惑します。自分に相談しないで意思を固めた事を残念に思う、中には感情的になる上司もいるでしょう。
退職をスムーズに進める為には、上司との信頼関係が大切です。まずは、退職の相談をしたり、退職に関する交渉を行った上で、退職願や退職届を提出しましょう。
引き止めにあうことは覚悟しておく
退職の切り出し方について慎重に考え、しっかりと準備をしても、退職を引き止められる可能性はあります。せっかく退職を決意したのに上会社や司はわかってくれない。退職を邪魔をされたくない。
そう感じる事もあるでしょう。しかし、引き止められるのは、その理由に関わらず、必要とされている証拠です。むしろ、退職の申し出をする場合は引き止められるのは当然だと思いましょう。
その上で、引き止めにあうことを覚悟して、退職の意思をしっかりと持つ事と、会社や上司に自分の考えをしっかりと伝える努力をしましょう。
もし、引き止めにあい会社が辞めさせてくれない可能性があるのであれば、「会社が辞めさせてくれないときの対処法!退職を引き止められときの最終手段は強行突破!」の記事もチェックしておきましょう。
まとめ
人間関係やコミュニケーションは言葉の選び方や場所、タイミングなど、伝え方次第でその印象は良くも悪くもなります。それだけ物事の伝え方は大切なものです。
特に退職については、自分にとっても会社や上司にとっても重要な話であり、退職をどのように伝えるか、退職の切り出し方は悩ましいものです。
しかし、そこをクリアすれば退職の意思表示はスムーズに進む可能性は高く、会社や上司に受け入れられれば、その後の退職の段取りも上手く行くでしょう。そう考えると、退職の切り出し方はとても大切な事です。手を抜かず、しっかりと準備をしましょう。
もし、なかなか勇気が出ず辞めたいが言えない場合は、「仕事を辞めたいけど言えないときの対処法!大事なのはあなたの覚悟です!」をご参考にしてください。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。
診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。
辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。
(診断時間は約5分です)