私は大学卒業時に国家試験に合格し、管理栄養士として病院で働き始めました。一口に管理栄養士といっても、職場によって業務内容がさまざまです。

献立作成、食材発注、調理、盛り付け、洗浄などの献立業務と、病院であれば栄養指導、チーム医療、患者さんの食事調整などの臨床業務があります。

実際に私が思っていた管理栄養士業務とは大きく異なり、結果3年半勤務し、一般事務に転職しました。

今、管理栄養士として働いていて、「思っていた毎日と違うかも」と悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そんなあなたに、私の経験が少しでも役に立てば幸いです。

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管理栄養士を辞めたくなる理由

肉体労働が多い

病院によって管理栄養士の業務の内容が大きく変わりますが、調理や食材の準備などに関わる場合、予想以上にハードワークですよね。

たとえば、

  • 50人分のスープを鍋に入れて運ぶ
  • 災害用備蓄(缶詰や水など)を運ぶ
  • 長時間立ちっぱなしで野菜の切込みや食器洗浄を行う

などです。

「医療従事者として病院で患者さんのために働きたい」「献立作成や栄養指導をやりたい」と思って就職した場合、現実を見て驚くかもしれません。

調理師さんとの関係に悩む

調理現場では、管理栄養士が献立を作成し、調理は調理師さんがやることが多いです。調理師さんは長年調理に携わっている、腕に自信のあるベテランの方が多いですが、それだけに仕事がやりづらい場合もあります。

たとえば、「調味料を計量せずに目分量で入れる」「味見をして薄かったから勝手に調味料を足す」ということが実際に多々ありました。

管理栄養士は作成基準に従って、献立のバランスを考えています。病院であれば塩分は8g未満、特に減塩食は6g未満にしないといけません。いつも頭を悩ませながら、なんとか基準内に収まるように献立を考えています。

それが現場で調理師さんの好きなように調理が行われているのですから、「何のために献立作成しているのだろう…」と自分の努力が無駄になった気になります。

特に、調理師さんはベテランの男性が多く、管理栄養士は若い女性が多いため、どうしても意見が言いにくい、また言っても軽くあしらわれて終わり、ということもあります。

職場に女性が多い

調理現場は男性が多くても、管理栄養士は圧倒的に女性が多いです。これは人によってはメリットかもしれませんが、私にとってはデメリットでした。

責任者である直属の上司が、世代的に「オンナでも仕事をバリバリこなしてきた」という自負を持っている人でした。

結婚をしていない、または結婚しても子どもを持たないで仕事を続けてきたため、部下に対しても同じように求める傾向がありました。

たとえば、中学生の子どもがインフルエンザに罹ったので休みたい、という部下に対し、「中学生なら放っておいて大丈夫でしょ。そんなことで仕事を休むつもり?」と言ったり、20代で入職した部下に対し、「今、結婚とか妊娠とかしないでよね。人がいないんだから。」と平然と言っていました。

とくに後者は完全にパワハラですよね。

でももしかしたら、この上司も過去に仕事を続ける上でかつての上司に言われた言葉かもしれませんので、一概に責める気持ちにはならなかったのですが。ただやはり、部下の家族も大切に思ってほしいですし、

部下の結婚や妊娠を喜べる上司の元で働きたいですよね。

こういう考えの上司はこれからは減っていくとは思いますが、女性は他の女性に厳しい面もありますので、吉と出るか凶と出るか、わかりませんね。

医療職種としての認識が浅い

私が「管理栄養士になった」というと、多くの人が「学校の給食のおばちゃんになるの?」と聞いてきました。

考えてみれば、人生で栄養士と会う機会って学校くらいしかないので仕方ないのですが、病院内でもまだまだ医療職種としての認識が浅い場合もあります。

今でこそNST(栄養サポートチーム)加算もあり、管理栄養士もチーム医療の一員と考えられていますが、患者さんの食事中に病棟に行くと「栄養士が何しに来たの?」と看護師さんに言われることもあります。

これは一人ひとりの管理栄養士がカルテや検査値の読み方、患者さんの病態を勉強して、管理栄養士として患者さんの治療のために何ができるのかを示していかない限り、認識を改めるのは難しいと思います。

人手不足で長時間労働がある

職場にもよりますが、一日3食提供している、ということはその時間帯に管理栄養士が勤務している必要があります。

朝食の担当なら4時から5時、夕食の担当なら20時ごろまでの勤務ですが、人手不足の場合朝食から夕食までずっと勤務する場合もあります。つまり朝4時から20時までずっとです・・・。

人手不足だからと言って、入院患者さんの食事を止めるわけにいかないですし、本当に頭の痛い問題です。

私は体調をくずして病院の管理栄養士を辞めました

私はもともと体の線が細く、学生時代も運動より勉強が得意でした。

「患者さんのために、おいしくて体に良いものを提供したい」という思いで病院に就職しましたが、実際は上記に書いたように肉体労働、不規則かつ長時間勤務、調理師さんとの関係で心身の調子が悪くなり、退職しました。

初めての仕事で、せっかく内定をいただいた病院ですし、辞めたいと思ってからもずっと悩んでいました。ですが、ふとした瞬間に「迷惑をかけずに自殺する方法」など考えている自分がいて、我に返ったときに「ここまで追い込む必要はない、退職しよう」と決断しました。

今ではすっかり元気になり、本当に「辞めて良かった」と思います。

管理栄養士を辞めるべき人・辞めないほうがいい人

仕事を辞めるのはいつでもできます。ですが、辞めてしまった後、「やっぱり戻りたい」と思ってもそうは都合よくいきませんね。

「この仕事、やめようかな・・・。」と思ったとき、それが一時の感情なのか、今後もずっと変わらないことなのか、見極める必要があります。

そんなときは、あなたがなぜ管理栄養士を目指したか、どんな仕事がしたいか、初心に戻って考えてみてください。

辞めるべきではない人

  • 今はやりたいことができないが、仕事を続ればチャンスがある人
  • 仕事に不満はないが、上司や人間関係で悩んでいる
  • 給与や勤務時間などの労働条件に不満を持っている人

管理栄養士の業務は当然、食事に関することです。献立作成、食材の発注、調理、洗浄、などの献立業務と、病院であれば栄養指導、チーム医療の参画などの臨床業務があります。

仕事を初めてすぐに、「栄養指導をやりたい!」と思っても、新人はまず調理業務から入って、そのあと献立作成、それができたら栄養指導と順を追って業務を任されることがあります。

同級生等の話を聞いて、「友人はもう栄養指導を任されているのか」と思っても、職場によって良いと考えられる人材育成方法は異なります。

今すぐ、やりたいことができなくても、仕事を続けることでチャンスが回ってくるなら、今は基礎を固める時、と思って仕事を続けるほうが良いでしょう。

また、上司等の人間関係で悩んでいる場合も、ちょっと考えてみてほしいです。

というのは、あなたの職場は人事異動はありませんか?

もし、異動がないのであればあなたが仕事を辞めてもよいと思いますが、数年後にあなたか上司が異動する可能性があるのであれば、それまでの我慢と割り切って仕事を続けることができるのではないでしょうか。

最後に給与や勤務時間などの労働条件に不満を持っている場合は、上司と相談することで解決する可能性があります。新人ではなかなか言いづらい問題かもしれませんが、勤続年数が増えて、仕事の実績がついてきたら、相談しやすくなるかもしれません。

そのためにも、今はあまり条件面は気にせず、自分のスキルを磨くことに集中してみてはいかがでしょうか。

辞めてもいい人

  • 体調をくずした人
  • 自分のやりたいことが、今の職場ではできない人
  • 次の目標が明確に決まっている人

自分の体は一番の資本です。あなたが健康でなくなってまで、仕事に人生の時間を捧げる必要はありません。

日本人はまじめで勤勉な人が多いですが、自分の命がなくなっては元も子もありません。あなたはあなたの健康を第一に考えてください。

また、自分がなぜ管理栄養士を目指したのか、その原点に戻ったときに、今の職場ではやりたいことができない、と気が付いたのであれば、辞めても後悔しないと思います。

たとえば、周術期の栄養管理をやりたかったけれど、医師不足により外科が閉鎖された、などの場合です。待っていてもチャンスがないのであれば待たずに行動するのも一つの手ですね。

更に、管理栄養士以外でやりたい仕事が明確に決まっている人も、仕事を辞めても後悔は少ないでしょう。

管理栄養士を辞めるときの注意点

いざ「仕事を辞める!」と決断しても、なるべく周囲に迷惑をかけずに、辞めていきたいですよね。仕事を辞めるときにどんなことに注意が必要か、順に説明していきます。

  • 退職の3か月前には上司に報告する
  • なるべく3月末か9月末に退職する
  • 引継ぎをしっかりと行う

退職を告げるタイミングですが、3か月前までに伝えるとよいと思います。「1か月前まで」と労働契約書に記載されている場合が多いですが、実情を考えると3か月程度が必要と考えます。

理由としては、あなたが辞めることで一人採用する必要が出るため、献立作成している場合は1-2か月先の献立を考えている場合が多いため、です。

また病院に限った話ではないですが、学校や保育園、幼稚園など管理栄養士の職場は4月から新年度がはじまる場合が多いため、次の採用者をさがす、またあなた自身が次の仕事を探すうえで、3月末か9月末の退職するのが良いと考えます。

最後に、管理栄養士に限った話ではないですが、業務の引継ぎはしっかり行いましょう。病院であれば患者の情報、栄養指導の経過、学校給食であれば食物アレルギーの対応など、重要な情報がたくさんあります。

食事は命に係わるものです。その認識を持って、次の担当者へ引き継ぎを行ってから、職場を去ってください。

管理栄養士からのおすすめ転職先

管理栄養士から一般事務員

管理栄養士は、食材発注や献立作成など、コツコツと地道な作業が得意な人が多いです。業務の中で肉体労働もありますが、事務作業もかなりあります。

私も転職したときに真っ先に事務員を考えました。落ち着いて、一つ一つの作業を丁寧に行うことが得意であれば、おすすめの転職先です。

管理栄養士から医療事務

管理栄養士として病院で働いた経験があれば、医療事務もおすすめです。医療事務は病院の会計の仕事で、カルテから患者さんの診療内容を確認し、医療費や診療報酬を算定します。

もともと病院で働いていたなら、診療報酬の概念は理解できていますし、医療事務は資格がなくてもできるため、即戦力になれるかもしれません。

管理栄養士から調理師

管理栄養士から調理師を目指す人もいます。

調理を経験するうちに調理の楽しさを覚えた、というポジティブな理由もあれば、調理師さんとの関係に悩んだ結果、献立通りに作って献立作成者の思いを忠実に形にしたい、という理由もあります。

調理現場の内情をわかっているために、仕事を始めたときの「予想外だった!」という出来事は少なそうですね。

管理栄養士から転職するときのポイント

やりたいことを明確にする

これができないまま転職活動をすると、結果「こんなはずじゃなかった!」という事態になりかねません。私が実際にやったことは、静かな部屋でノートに自分のやりたいこと、やりたくないこと、理想の自分の姿、をひたすら書き出して考えを整理しました。

一足飛びに自分の希望をかなえる仕事に就かなくても、一旦つなぎとして別の仕事をする、という考えもあると思います。

ですが、若いうちにむやみに転職歴を増やすのは、採用する側としてあまり印象の良いものではありません。転職するたびに目的があり、「〇〇を経験したくてここで働き、その経験を生かして次の仕事を見つけた」というストーリーに持っていくのがよいと思います。

やりたい仕事の採用情報を確認する

やりたい仕事が明確になったら、採用情報を確認します。

ここでいう情報は求人のことではなく、どのような経路で就職する人が多いか、ということです。インターネットで検索して問題なく見つかる場合もあるけれど、ハローワークのほうが良い、一般の求人サイトには出ておらず、いわゆる関係者からのつてで採用されることが多い、などです。

チャンスを逃さず、でも無駄な時間を使うことなく、次の仕事を探しましょう。

まとめ

せっかく管理栄養士の資格を取って仕事を始めたのに、いざ辞めるとなると後ろめたく、また逃げているように感じるかもしれません。

ですが、体調を崩してまで続ける必要はないと思います。自分の体を大事に、思いつめないようにしてくださいね。

また、あなたが悩んでいることが、

  • 時間が経てば解決するかもしれないこと
  • 自分の力で解決できるかもしれないこと

なのかどうかを見極めて、それが無理であれば、見切りをつけるのも良いと思います。

どうか後悔のないように、一人でも多くの人がイキイキとお仕事ができるように、応援しています!

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