「農協職員」その言葉に安定性を感じる人も多いですよね。自分もその中の一人でした。

学生時代、知人から故郷の農業協同組合(農協)で職員を募集していると知らされ「安定性があり仕事もラクそうかも」という安易な理由で応募し、すんなり内定を頂きました。

配属先は支店の金融や共済の窓口でしたが、定期的に外回りがあり様々な営業活動も行っていました。田舎で方言や訛りがあるので、地元育ちの自分でも電話は聞き取りにくく難解で、先輩に代わって貰った事など今となっては笑い話です。

やりがいも感じたものの4年間勤務し退職、その後地方銀行やメーカー勤務を経て現在は製造メーカーにて生産管理業務に従事しています。

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農協を辞めたくなった理由

給料が安い

皆さんは農協職員の月収はどれくらいだと思いますか?実際にはかなりの低賃金です。同年代と比べて格段に低いので友人の月収や賞与の金額に心の中で驚くばかりでした。

休みが取りにくい

農協で働いている期間に有休休暇をほとんど取得した記憶がありません。恥ずかしながら、そもそも有休休暇が何なのかよく分かっておらず、退職前の有休消化さえしませんでした。

少人数で仕事を回していたので、定時退社もままならず「こういうものだ」と思っていました。

ノルマがきつい

農協には多くのノルマがあります。退勤後や休日も、知人宅にお願いしに回ったり心が休まりません。自爆営業も数多くありました。

モラルが低い

守秘義務を守らなかったり、全く別人である同姓同名のお客様の口座から肥料代を引落してしまった、などは何度もありました。農協職員による横領なども時々ニュースになりますよね。

昔はニュースにならないよう揉み消している小額の横領も噂には何度も聞きました。お客様から「農協じゃしょうがないわ」「だから農協はダメなんだ」とお怒りの言葉を頂く機会もありました。給料が安い事でプロ意識の低さに拍車がかかってしまうのです。

組織のしがらみが強い

農協は地方の農協に始まり、連合会、中央会、と関連団体含め全国にまたがる巨大組織です。その為政治家とのパイプも存在し、一般職員は半強制的に選挙の応援に行くよう言われたり、農業の関連イベントへの参加を徹底されたり、動員要員としての自分の存在が嫌になりました。

私はノルマに耐え切れず辞めました

農協職員にとって逃げられなかったものがノルマです。よく民間の保険会社の営業ノルマなんて話も聞きますよね。農協には「共済」というものがあります。

養老共済・こども共済・建物共済などがJAの組織を支えているのです。どの職種の職員にも共済のノルマは課せられることが多いです。窓口に「JA共済に加入したい」と新規のお客様が訪れる事はまずありません。

農協と取引のある農家さんや知人の家に伺い勧誘するのです。なかには、職員同士でお客さんの取り合いのような事態も時々に起こり、いい大人が喧嘩する姿にやるせなさも感じました。

新人であれば、まずは自分自身(自爆)や家族・親戚に加入をお願いすること間違いなしです。おそらく経験されているのではないでしょうか?

私も例に漏れることなく初年度は自分と家族、翌年からは親類にお願いして加入をしてもらいました。「親戚づきあいが密になる」「親類の家の方角に足を向けて眠れない」は農協職員あるあるかもしれません。

被保険者が姪や甥の契約をして自腹で払っている職員や、自分の共済を収入に見合わない契約額だったり、未達成は絶対にあってはならないという鬼の掟を叩き込まれました。

期日が迫ってくると毎日進捗状況を確認されます。気持ちの余裕が無くなってくると休日もノルマ達成が頭から離れなくなります。

私はオンオフの切り替えが下手くそであったので、友人と遊ぶ時も「保険てどうしてる?」と話題にするので、後に避けられたりもして申し訳ない気持ちになりました。

更にノルマは続きます。地方の農協によって異なりますが他にも盛り沢山のノルマが存在するのです。私が勤務していた時代はジュースや果物やお菓子を外回りの時に売っていました。

驚いたのはパックご飯(〇分でご飯)を売るように言われた時です。コメを作っている農家に真空パックのご飯を、しかもこの地域産のお米ではないものを売るのは相当の抵抗がありました。恐る恐る声を掛け、「便利だから買う」と、意外と売れたのにはびっくりしましたが。。。

他には定期貯金や農業系の新聞や冊子、食材サービスなど多岐に渡る業務を反映した様なノルマがありました。「日本農業新聞」という新聞や「家の光」という冊子を知っていますか?

農家には結構購読している家が多いです。生活用品も農協を通して購入できたりします。諸先輩方は当然ながら何十年もノルマをこなし生き抜きながら農業協同組合を支えていました。

1年目でノルマをこなしていけるか既に自信が持てず、辞めたい気持ちに。仕事にはやりがいを感じていなかったわけではありませんでしたが、ノルマがやりがいを飲み込んでしまう日々が続いた時に先々を考えて退職を決意しました。

ラクそうだと安易に農協職員になってしまった自分に後悔しました。

農協を辞めるべき人・辞めないほうがいい人

農協は濃密な組織です。人と人との付き合いが深いと思います。情にも厚い部分もあります。もし仕事でつまづいても多岐に渡る業務であるので自分に向いている部署に異動できたり潰しがききます。

また、地元密着である事からみんな知り合いの知り合いでつながりがあるような馴れ合いの部分もあり、ノルマを除けば気楽ではあります。

ノルマも飛び込み営業ではなく知人や組合員さんからつながりで契約を取っていきます(それが大変のですが)。辞める以外に選択肢がないのかは、よく考える価値はあります。また、お給料は安くとも安定雇用であるのは間違いないです。

辞めるべきではない人

  • 世間体を気にする人
  • 体ト育会系の人
  • どんな仕事でもやれる気持ちのある人

田舎で地元を愛しこの先もずっと地元に密着しながら生きていきたいと考えている人なら 「農協職員」という肩書は特に高齢者を主とした田舎受けがよく信頼してもらえます。

「農協を辞めた」というのは体裁が悪く近所の目を考える事もあります。小さい田舎の社会での世間体を今後も気にしていくのであれば辞めずになんとか乗り越えながら農協職員としてのキャリアを積むのも悪くないかもしれません。

体育会系の人ならノルマに耐えられる精神力を持ち合わせ充分やっていけそうな印象もあります。農家の方との懇親会(飲み会)などもあるので体育会系向きの組織なのかもしれませんね。

農協は前述したように多岐に渡る業務であるので自分に向いている職種を見つけるのも可能です。

融資業務が向いていないなら購買業務へ・葬祭センターへ・旅行センターへ・介護福祉サービスの部署へなど退職せずとも仕事の転換ができます。何でも屋さんの農協にいてもいい、と思うなら辞めるべきではないですね。

辞めてもいい人

  • 古い体質が苦手な人
  • 専門性を突き詰めたい人
  • 長年のノルマに耐える精神力のない人 

農協は古い体質の組織だと言われています。組織としては馴れ合いがあるぬるま湯状態です。「農協の常識は世間の非常識だ」と揶揄する同僚もいました。

変革したい、新しくチャレンジしたい、と先進的な考えなど持っている場合でも現状維持の路線を求められ前に進めない場所に感じる人もいるでしょう。

何十年もぬるま湯で過ごしてきた上司や、その環境で数年過ごしてすっかり順応した20代の同僚を見ていたら、モチベーションダウンする職員も多いはずです。そういった人は別のフィールドでの活躍が良いと思います。

また、農協は部署により仕事が全く異なります。自分に向いていないと感じても別の部署に異動すればすんなりフィットしたり、潰しが利く組織です。その為、どうしても農業を中心とした広い知識が必要となり分野のエキスパートが少ないという弱みもあります。

専門性を学びステップアップがしたいと考えているのなら早めに退職し、他の何かを見つけるべきだと強く勧めたいです。最後にノルマに関しては上手くこなせなければ毎年苦しめられるでしょう。

想像以上に心を蝕みます。精神力が求められますので、数十年続くノルマへの覚悟が無いのなら退職をお勧めしたいです。

農協を退職するときの注意点

  • 地元で生活する覚悟
  • 関係者への抜かりない挨拶回り

農協は地元に根差した組合であり、職員もほとんど地元の住民です。組合員さんと呼ばれる方々やお客様も地元の住民がほとんどです。

田舎の生活基盤が同じ町であれば、退職後も直接的・間接的に農協職員時代に関わった上司や同僚・お客様と関わる機会もあるでしょう。この先何年も何十年も自分が頭を下げて勧めて加入して貰った共済や定期預金が残る事になるのです。

それは想像以上に厄介でもあります。辞める前に、この先しがらみのある地域で生活していく覚悟を持ち実行に移してください。

そして、業務に関わる同僚や上司、組合員さんやお世話になったお客様などぬかりの無い挨拶回りが必須です。一般の会社の退職時も挨拶は勿論しますが、それ以上にしっかり行うということです。

円満退職であったにも関わらず、近所のお年寄りに「横領でもしたのではないか」と噂話をされ、家族が非常に嫌な思いをした元職員もいました。

ちなみに私はお世話になったお客様には早めに退職のご挨拶をしたばかりに、在職中またお会いしてしまい、「まだいたの?」なんて言われてしまいました(笑)ともあれ、ぬかりの無い挨拶回りは重要です。

私が地銀へと転職した理由

私は金融関係の窓口業務だったので客層は違えど銀行業務でしたら多少経験と知識がありました。農協では少なからず客層は専業農家と兼業農家のかたが大半を占めます。

特に年金受給者の高齢の農家のおじいちゃんおばあちゃんが多く、良くも悪くも仕事が楽でした。しかし金融業務を知れば知る程に、農家だけではなく幅広い客層の中で知識を深めたいと感じ、銀行であれば専門知識を深められ魅力的に見えたのです。

地方の銀行なら農協での地元の方とのコミュニケーション能力を最大限にアピールできるという点もあり自分に合っていると感じました。

農協からのおすすめ転職先

農協から会社の営業や接客

金融や共済の担当だった職員であれば保険会社の営業、農業資材の担当だった職員であればホームセンターでの農薬や肥料担当の接客、などお客様と直接関わる仕事が向いています。

それまで積んできた知識とコミュニケーション能力が最大限に生かせると思います。

農協から農業

農協職員は農家の跡取りというパターンが多いのです。小規模農家は兎も角、大きな農家である職員の場合はある程度の年齢で見切りを付け、本格的に農業に取り組もうと専業農家になるパターンもありました。

退職後、ストレスから解放され畑で生き生きとしている姿を見かけた時の事が今も忘れられません。

農協から地方公務員

地元密着でコミュニケーションをとっていく共通の部分が多いということや安定雇用であるので、地方公務員に転職する農協職員もよく聞く話です。風土もどことなく似ている節があるのですんなり受け入れて貰える職種です。

そもそも公務員試験に落ちて農協職員になった、という人もチラホラおり、再度公務員試験にチャレンジをしようとする職員もいるのが現状です。

農協から転職するときのポイント

私は退職1年前から年密な計画を練りました。まず資格取得です。自分の業務に精通した資格を選定しました。具体的には「秘書検定」「簿記検定」「銀行業務検定」「証券外務員2種」「FP技能士」の勉強に努めました。

資格は難易度に関わらず持っていて損することはありません。「資格を持っていない元農協職員」と「資格を持っている元農協職員」だったらグンと印象が違いますよね。

難易度も重要ですが、前向きに取り組んでいる証拠にもなります。ここで問題なのが勉強時間の作り方です。農協の若手職員となると様々な活動に半ば強制的に参加させられます。

私はスポーツクラブ活動があり、大会に向けて数か月間に渡り週2で練習があったのです。仕事してスポーツして勉強は無理がありました。これを腰痛という理由でなんとかクラブ活動から逃れ、勉強時間を少しずつ増やしました。

その結果、1年間でFP技能士を除いた資格を取得することが出来ました。次に、一般企業での勤務経験がないことから、人材紹介の会社へ登録し紹介を受けるスタイルとしました。

こちらで面接の練習やで履歴書の精査などサポートしてもらった事で、明確に今後が見えるようになり自身を理解できました。ハローワークには出てこない自分に適職な求人も人材紹介の会社にはあったりします。

幸運にもマッチングでぴったりの会社を紹介して貰えました。

サポート体制のお陰で書類審査はすんなり通過し、面接では「まだまだ専門知識は勉強中であるものの現在進行形で資格取得に向け勉強している」「コミュニケーション能力があり円滑に仕事が出来る」という地元密着型で外交的な農協職員の印象を最大限に利用しました。

この2点だけでも転職へのアピールポイントとして有効でした。転職先が地方銀行であったことから、農協職員であった経験は大きな強みとなり、内定を頂きました。

まとめ

農協を辞めるということは、想像以上に勇気のいることかもしれません。また、一般企業とは違う組織であるからこそ、仮に転職したとしても時代の流れについて行けないのではと躊躇したり不安に思う事もあるでしょう。

しかしながら現在の自分があるのは紛れもなく勇気を出して転職したからだと思います。沢山の転職成功者がいるのです。

あの頃、頭の中が毎日ノルマで一杯で耐えながら頑張っていた時間も否定できませんが、性格上いずれは辞めてしまったのではと思います。行動に移して前に進む、農協を辞めて良かったと言えるように頑張りましょう。

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