私は新卒で入社した会社で住宅事業部へ配属になり、営業として2年間仕事をしていました。その後、自動車業界の営業を経て、現在は正規ディーラーで営業事務の仕事をしています。
住宅営業の仕事を始めた頃は、ほとんどの人が家は一生に一度の買い物で、そんな大切なことを自分に任されるなんて凄くやりがいがあり、夢のある仕事だと思っていました。
しかし、いざ始めてみるとそんな夢のような仕事ではなく過酷なサラリーマン生活が待っていました。おそらくこれを見ているあなたなら分かっていただけるはずです。
私自身は結果として住宅営業を辞めるという決断になりました。そんな私の経験が少しでもお役にたてればと思いますので、辞めたくなったあなたに見てほしいことを書いていきます。
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辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。
(診断時間は約5分です)
住宅営業を辞めたくなった理由
この記事の目次
競合他社が多い
住宅を販売している会社はめちゃくちゃあって、個人経営でやっているところも含めると何社あるのか数え切れません。そんな数多くの競合の中から自分を選んでもらうというのは非常に難しいことでした。
水や飴のように安価なものであれば、地道に営業活動をしていれば、「そんなに言うなら試しに買ってみるか!」ってなるかもしれませんが、家の場合は試しに買える人なんてめったにいません。
当然ですが自分が見積もりを出したお客さんはだいたい他社でも見積もりをとって比べられます。
それはしょうがないと思うのですが、屋の仕様やオプションなど、細かいところまで決まり、あとは契約書に印鑑を押すだけっていうところで突然連絡が取れなくなり、後日連絡がつながったかと思うと「他社で決めちゃいました」なんてこともありました。
「やってられるかー、今までの苦労は何だったんだ」って感じです。お客さんに文句は言えないし、決めきれなかった自分を責めるしかありません。
ノルマがきつい
営業である以上、月や年単位でノルマなり目標を課されるかと思います。
売れていれば遊んでいても何も言われないし、インセンティブも入ってくるので良い仕事だなと思うかもしれません。しかも住宅営業のインセンティブはけっこう大きいですしね。
ただ、家なんてそうポンポン売れるモノでもないですから、売れない時期もあるでしょう。そんな時に上司から売れと強く言われ、営業をかけすぎると今度はお客さんからしつこいと怒られることもあります。
私の会社では週一のミーティングで各営業が進捗状況を報告するということになっていたので、そこで商談が進んでいないと上司にかなり詰められます。
私は上司に詰められないように言い訳を考えるようになっていきました。
お客さんとの商談が進まなくなったとき、営業であればどのようにしたら買ってくれるだろうと考えるのが普通だと思いますが、私はそれよりも先に、「ミーティングの時になんて報告しようか」なんて思ってました。
ときには嘘をついてごまかしたりしたことも、、、「私は何の仕事をしているんだろう。」
そんなこと思うようになってから、やりがいを見失っていきました。
クレーム処理
契約してもらい、家が完成し無事引き渡しが終わっても、それで終わりではありません。むしろそれからの方がお客様との長い付き合いになりますね。そこで発生してくるのがクレームですよね。
クレームの原因は私自身、会社、建築に関わった業者、お客さん自身といろいろとありますが、お客様からしたら窓口は私1つですから、何かあればすぐに電話がかかってきて対応に追われます。
テキトーに対応すると会社の信用を落としかねるので下手なことはできませんし、会社とお客様の板挟みになってしまいます。
しかも、頑張って問題解決しても、インセンティブがもらえるわけでもありません。お客様からは信頼されるかもしれませんが。
私たちにとっては多くのお客さんの中の1人にすぎませんが、お客さんからすと一生に一度の買い物をしたわけですから、必死になる気持ちはわかります。
昔上司から「契約するときは、そのお客さんと一生付き合うつもりでいろ。それができない人とは契約するな」と言われていました。たしかにそのとおりだと、、、責任重大ですね
残業が長い
お客さんの仕事終わりに商談、打ち合わせなどが入ることもしばしば。必然的に残業になりますよね。
夜の9時までお客さんと商談して、終わったらたまっている事務仕事をこなす、それが終わったら、明日のアポが入っているお客さんとの商談の準備、などなど。つになったら帰れるのやら。
特に週末なんて商談が入りますから、用意しないといけないことがたくさんあります。気づいたら日付が変わりそう、なんてこともありました。(今の社会では非常によろしくないことですが。)
こんな状態が続くと心身ともに消耗していきます。
土日が休めない
住宅営業は土日は絶対に休めません。一番の稼ぎ時に休んでいると仕事がなくなりますからね。みんなが休日のときに自分は仕事をしないといけないというのは寂しいです。
その分平日に休みを取りますが、友達はみんな仕事に行っていて遊ぶ人がいなかったりして、カレンダー通りに休めている人がだんだん羨ましくなってきます。
平日はショッピングセンターや道路が空いているので快適に買い物や移動ができるという意味では平日休みも悪くないなとも思って自分を納得させていました。
ただ休みでも電話はかかってきます。せっかくの休日でゆっくり寝たかったのに、朝お客さんからの電話で起こされたっていう人絶対いるはずです。私も何度起こされたことか。
劣等感を抱きながら土日に出勤するだけでなく、自分の休みさえも電話で邪魔されたりするので、心が休まる時間が欲しいですね。
私は住宅営業をやっていることが時間の無駄という思い辞めました
「この仕事をあと30年以上続けるのは無理!」
そう思ったとき、今のこの住宅営業をやっている時間が、自分の人生で無駄な時間だと感じ始めて辞めようと決心しました。
これだけの長い時間をかけるのならもっと自分の好きなことをしたい。もちろん住宅業界に興味があって、建築士や宅建など資格の勉強をしながら仕事を究めていきたいというのであれば、続けているでしょうが、私はそうではなかったのです。
結局、私自身その程度の気持ちだったのかもしれません。
住宅営業を辞めるべき人・辞めないほうがいい人
辞めたくなった理由は様々ですし、1つとも限りません。いろいろなことが積み重なった結果、辞めたいと考えるようになった人もいると思います。私もその一人ですから。
住宅営業は他の営業と比べても非常に高価なもの取り扱っていて、お客さんと付き合っていく年数もダントツで長いということもあって重圧が凄いですが、その分やりがいも大きな仕事です。
ここの部分に関してはどんなことがあっても変わらないところです。
【すぐにでも辞めてやる!!!と思っている方】
もう一度自分の状況について考えて、本当にやめた方がいいのか、そして今が辞めるタイミングなのかを判断した方が良いと思います。私なりにその判断基準を書いていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
辞めるべきではない人
- 新卒の方
- 辞める強い理由がない人
- やりがいを感じられる人
上記に当てはまる人はまだ今はやめるタイミングとしてベストではないでしょう。
もう少し考えて、時期を見計らうのもいいと思います。特に新人の方は、プレゼンの練習や、構造の勉強などいろいろと大変なことが多く、なかなか上手に商談できる人は少ないです。
会社からは売れ売れと言われているかもしれませんが、住宅営業のやりがいというところでいうと、建物をお客さんに引き渡して、ありがとうと言ってもらえる瞬間が一番大きいのではないでしょうか。
そんな一番のやりがいを感じられる部分をはまだ感じられないまま辞めていくのは少しもったいない気がします。
お客さんと初対面から家の引き渡しまでは短くても半年くらいはかかりますから、契約をして、新人さんはまだ建物の引き渡しまで完了したお客様もそこまで多くはないでしょう。
もしかしたらやりがいが見えてくるかもしれませんね。
住宅営業は出来上がった商品を売るだけという営業とは違います。長い時間をかけてお客さんと付き合っていくわけなんで、すぐに判断するのは難しいです。
全く同じ家が無いようにお客様も一人一人性格や価値観が違います。そんな中で様々な人に出会い、感謝され、やっていて良かったと思えるところがあるかもしれません。
また、現実的な話になってきますが、新卒の方であれば、会社からの待遇、いわゆる給与面、福利厚生もある程度は良い状態ではないでしょうか。
通勤手当、社宅など、新卒では当たり前のような福利厚生も転職して中途採用になると、そのような条件がある会社も限られてくるので、今の会社でやりがいを見つけてもう少し頑張ってみるのもアリです。
また、今の仕事を辞める強い理由がなければ、転職に失敗してしまう可能性もあります。はっきりとした理由がなければ、転職活動を行っていくうえで次の会社に対してのアピールが弱くなってしまいます。
転職する理由が「○○に挑戦したから」などのポジティブなことでなくでも、何かはっきりとした強い理由を持っていた方がいいです。
それは、やめて後悔しないために、新しい会社に入ったとき、前の会社の方が良かったなと後悔してしまうのが一番つらいことです。
辞めてもいい人
- やりたいことが決まっている人
- お客さんと深く関わりたくない人
- やりがいを感じられない人
上記にあてはまる人であれば、辞めて次へ行くのも良い選択ではないでしょうか。少なくとも今のまま仕事を続けるよりも新しく仕事を始めた方が良い結果になる確率は高いです。
繰り返しになりますが、住宅営業は他の営業職と比べても非常にお客さんと関わりが深くなる職業です。
何でもないようなことでお客さんから連絡が入ってきたり、休日に一緒に食事に行ったりすることがあるなど、本当に一生の付き合いになると言っても過言ではないでしょう。
そんな中で、お客さんとの関係はさっぱりしておきたい、連絡は最低限で、休日は電話がかかってきても絶対に出ない、など割り切って仕事をするには精神的な負担が大きすぎる仕事です。
当然プライベートがないわけではないですし、休みの日に電話がかかってくることなんて他の営業職でもあることでしょうが、仕事は仕事、休みは休みで割り切ってする方には住宅営業をやっていくうえで難しいかもしれません。
というか、そういう働き方をしたいなら住宅営業以外にもっといい職場があります。
それから、次にもうやりたいことが決まっている人は少なくとも辞めて後悔することはないでしょう。今よりもっとやりたいと思える仕事ができるわけですからね。
住宅営業を辞めるときの注意点
- お客さんの引き継ぎを確実に
- ある程度の実績を作ってから辞める
まだ商談の段階であれば、途中のいいタイミングで新しい営業に引き継いで終わりですが、もうすでに家の引き渡しが終わっているお客さんに関しては、必ず挨拶はしておきましょう。
あなたが住宅営業を辞めても、お客さんはその家に住み続けます。
担当の人がいなくなるというのはお客さんからするととても不安になることです。何も言わずそのまま辞めるのは避けましょう。数が多いと一人一人に訪問して挨拶も難しいでしょうが、せめて電話連絡くらいは最低限の礼儀としてするべきです。
こういったお客さんの立場に立ってみて、きちんとした対応ができるようになることは次の職場でもきっと役に立つことですよ。
それから、何か資格や特技があるのなら大丈夫かもしれませんが、それでも可能な限り実績を作ってから辞めることをオススメします。
年間20棟販売した、販売成績が店舗で一番だった、などなんでもいいので、他の人にアピールできるものがあった方が良いです。というのも、転職をする際に営業をやっていましただけではアピールできるものが何もないからです。
同じ業種へ転職するならまだしも、他業種へ転職する際は営業力をアピールできた方が良いです。
私が自動車業界へと転職した理由
私は住宅行営業をやめて、自動車業界へ転職しました。
一番の理由は、もともと車が大好きで休みの日は車でいろいろなところへドライブに行ったりしていて、そのうち、もっと車について考える時間を増やしたいという思いで転職を決意しました。
というのが表向きの理由で実際には、残業が多すぎる、売れる数も少ないので面白くない、などネガティブな思いがありました。業種は違うものの同じ営業職への転職だったので、今までやってきた住宅営業の経験を活かせるということも1つの理由でした。
普通に1000万円を超える商材、さらには一生に一度の買い物、そんな重圧に負けずに営業してきた経験があったので自分が大好きな自動車ならさらに売れるだろうという自信もありましたからね。
土日が仕事ということや営業職なので、たまに休日にお客さんから電話がかかってきたりすることもありますが、私自身はその部分はあまり気にならなかったので、特に不満に思ったりはしていません。
住宅営業からのおすすめ転職先
住宅営業から自動車営業(ディーラー)
住宅の販売は数ある商材の中でもトップレベルで難しいものです。それを売れた経験があるのならば、自動車の販売もできるはずです。
また住宅と家はとても似ている部分も多く、頻繁に買うものでもないし、ローンの手続きなども代行したりするので、作業自体は似ています。
とはいえ、住宅に関する手続きは複雑でパターンも非常に多く、膨大な量がありますので、それに比べると自動車の手続きは簡単です。
お客さんとの関係も重要で、商品自体を気に入ってもらうことももちろんですが、それ以上に自分という人間を気に入ってもらって、信頼関係が構築ができるかどうかが営業成績に関わってきます。
そういった意味でも住宅営業の経験が十分に活かされる現場になっています。
住宅営業から不動産営業
住宅業界と同じような業界、というかかぶっている部分もありますので、住宅営業で身につけた知識なども使える場面があります。
また住宅営業と違って、物件を管理する業務や一般のお客さんではなく会社を相手にする法人営業などいろいろな業務があるので、自分に合った仕事にチャレンジできるのでオススメです。
基本的に完成した物件を商材とする営業になりますので、宅地建物取引士の資格が必要になりますが、建築士の試験に比べれば比較的勉強時間は少なくても取れるものなので、住宅営業での経験もあれば、すぐに戦力として働くことができます。
住宅営業からハウスメーカーの事務職
住宅業界は営業以外にもたくさんの職種が存在しますよね。営業が自分の肌に合わないなって思っている方で、「でも住宅業界で働きたい」そんな人にはオススメです。
営業をやっていたころの経験が使えるので、知識を持ったままスタートできるというのが、メリットです。
また営業をしていたということで他の人にはない営業目線での提案などもできるので、1つ抜けた存在になれるかもしれません。
検索結果では住宅営業から企画、管理へ転職する方が多いようです。
やはり住宅営業をしていた人の転職先は営業から離れるパターンが多いようです。やはり他業種の営業に比べて、難しかったり、プレッシャー、仕事量が多かったりするせいで、営業=しんどいという感覚ができてしまっているようです。
それはある意味しょうがないことではあります。
これを見ているあなたももしかしたら、次はもう営業職はやめたいと思っているかもしれません。
住宅営業から転職するときのポイント
- やりたい仕事を探す
- 自分に合った会社選び
- 仕事が続けられそうか
今の仕事を辞めるとして、次にやりたい仕事を探すところからスタートです。むしろ、やりたい仕事ができたから今の仕事を辞めたいと思う人もいるでしょう。
自分の興味のある分野や得意分野で能力が活かせそうな会社を探してみましょう。
転職エージェントに登録すれば、自分の希望する仕事をエージェントがたくさん紹介してくれます。しかも、会社と自分の間に入ってやり取りをしてくれるので、スムーズに転職活動を進めることができます。
もし転職しようと思ったら、転職エージェントに登録することをオススメします。ある程度進んできたら条件面などを見て自分に合っているかどうかを判断して会社選びをしましょう。
金銭面だけ良くても結局続けられなかったら意味がありません。会社紹介だけですべてを判断するのは難しいと思います。
転職エージェントの中には「元々そこの会社で勤めてました。」なんて人もいるので、ぜひ話を聞いてみましょう。
まとめ
私は住宅営業を辞めて、今の会社に入社して良かったと思っています。自分のやりたい仕事ができているので住宅営業を辞めたことに後悔はありません。
適材適所という言葉があるようにそれぞれが輝ける場所が必ずあります。だからといって辞めるのが正解だとも思っていません。
当然、住宅営業として成績を残し輝いている人もたくさんいるわけですから。
辞めるか辞めないかの最終判断はあなた自身です。続けるにしろ、辞めるにしろ、後悔のない選択をするの一番です。
私自身も迷っている時期はありました。そんな私の経験も含めて書きましたので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。
診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。
辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。
(診断時間は約5分です)