私は営業職に自分の成果が数字として表れ評価を正当に認めてもらえる職業であり、努力を歩合として給料に反映できる他の業種にはない魅力を感じていました。
特に住宅関係の営業マンはやりがいもあって、その上歩合も良いと言う話を聞き、住宅リフォーム会社の営業マンになりました。
しかし、実際には日に日に精神的に疲弊していき、自分が何のためにこの仕事をしているのか分からない状態にまでなり、7年間勤めた会社を辞めました。今は転職をして2年がたちますが、もっと早く転職するべきだったと後悔しています。
これから私がリフォームの営業で体験した事や感じた事をお話しします。もし今この文章を見ているあなたが私と同じ悩みを抱えていたり、これからリフォームの営業を始める事を考えているのならば少しでも参考になれば幸いです。
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リフォーム営業を辞めたくなった理由
この記事の目次
飛び込み営業という苦行
飛び込み営業の存在自体は入社前にも知っていましたし、厳しい業務だという事も承知していましたが、私は初対面の人と話をする事に抵抗が無いタイプでしたので、愚かにも「楽勝でしょ!」と思っていました、、、
しかし、現実に待っていたのは、まさに地獄でした。
リフォームを検討しているお客様を探すために、足が棒になるまで住宅街を歩き通し、ひたすら知らない人の家のインターホンを押す作業。住宅街では同業者も多く徘徊している為、インターホンに応答してくれても住宅関係の営業と分かった途端にピシャリと断られるのが当たり前です。
中には子供がまずインターホンに出て、「お母さん○○会社だって~・・・{お母さんは今いないって言いなさい}・・・はーい!お母さんいませーん!ブチッ」という居留守や、庭先で花の手入れをしている優しそうなお婆さんに声をかけるも、住宅営業と分かった途端みるみる顔がこわばっていき、そそくさと家の中に引っ込んでしまったり。
自分の家に突然営業マンが訪問してきたらと思えば当然の反応なのですが、そんな事を1日100件も200件もひたすら続けていると段々、自分は世の中に必要とされていないのではないかとか、自分は何やってるんだろうと言う思いにとらわれるようになってきます。
次第に住宅街を見るだけで吐き気を催すまでになってしまい、朝一番についた場所から夕方まで動けなくなってしまう事もありました。
その飛び込み営業でどれくらい契約につながるかと言うと、約500~600件の訪問で1件程の割合です。
もちろん地域や営業トークなどでこの件数には差が出てくるでしょうが、新卒や未経験でいきなり始めるとほとんど運の世界ですので1000件訪問して1件という事も大いにあり得ます。
今、そんな非効率な飛び込み営業なんてほとんど無いでしょと思われているかもしれませんが、現実として全国的にリフォーム会社の大半は地元に根差した中小企業が占めています。
その中小企業が大手の建築会社のように広告を大量に打ったりCMを流したりという事は出来ません、近年はインターネットでの集客も軸になっては来ていますがリフォームを必要としている方は住宅を購入して20年~30年経過している年齢層がメインになりますので、会社としては電話や直接訪問の方が効果的と考えるわけです。
また、営業の基本は飛び込み営業と考える会社も少なくありませんので、リフォーム会社の営業についた場合高い確率で飛び込み営業を経験することになると思います。
営業ノルマにうんざり
営業職では多くの会社で毎月ノルマが設定されています、それが契約の件数なのか金額なのかはまちまちですが、ほとんどは簡単に達成できる数字ではないです、そしてそれが毎月やってくるわけです。
リフォームの場合決まった物を売る商売ではないので金額の開きがとても大きいです。ちょっとした修理作業であれば数万円~、大規模な修繕工事であれば数百万円という具合なのですが、あなたは突然訪問してきた営業マンに数百万円の仕事を任せるでしょうか?
実際に飛び込み営業でいきなり数百万円の仕事を依頼される事はほとんどありません。依頼される作業の大体が数万円~数十万円の工事です。
私の勤めていた会社は1人月1千万円の契約ノルマでしたので、50万円の契約が20件必要になることになります。先程お話した飛び込み営業で単純計算すると月1万件の訪問が必要になるわけです。そんなのとても無理だと思いませんか?
そんな無理なノルマを突きつけられ契約数字の進捗が悪いと月末は上司に叱咤されるわけです、たとえ運良く高額の契約が続いて目標を達成したとしても次の月にはリセットされてまた月末がやってくるわけです。
考えるだけでだけでうんざりしませんか?
昼夜休日問わず来る電話
リフォームの営業をしていると、色々な人と電話で連絡を取ることになります。契約に向けて打ち合わせをしているお客様はもちろん、契約後のお客様との打ち合わせや工事の現場監督への指示、クレーム対応だったりと様々です。
そして自分の抱えているお客様が増えてくるとそれらの電話が休日も夜間も際限なくかかってきます、休日出かけ先で電話が鳴りやまないなんて事が日常でしたので、プライベートなんてありませんでした。
あまりにも電話が鳴るため、着信が無いのに携帯が鳴っている気がしたり、携帯の電池が切れると何件電話が来ているのだろう、自分の抱えているお客様で何か問題があったらどうしようと、どうしようもなく不安な気持ちなってしまい携帯依存症のような症状が出ていました。
しかも私の場合は会社からの携帯電話の支給は無く個人の携帯電話でしたので、月々の携帯電話料金も自己負担、、、通話料金が月々2万円を超える事が普通でしたので経済的にも負担が大きかったです。
更に、あるとき物心がついてきた子供に「どうしてパパは寝てる時に謝っているの?悪い事したの?」と言われました。最初は訳が分かりませんでした。
妻に聞いてみるとかなり以前から私は寝言で「すみません、すみません、すぐ対応します」「~の件はすでに手配しています~」等の仕事に関連した寝言を繰り返していたようです。私は夢の中でも仕事をしているのかと思い、ゾッとしました。
クレーム対応にうんざり
営業職や住宅業界に限った話ではありませんが、俗に言うクレームへの対応も、もちろん存在します。むしろ多い業界と言っても過言では無いかもしれません。
自分の意向に沿わない事に対してクレームを言うのは当然の事かと思います。しかしリフォームの場合は新しく建物を建てるのではなく、既存の建物の修理がメインですので外見からは確認できない部分に建物の腐食が見つかり想定外の工事が発生したり、急な天候の変化により工事を延期せざるを得ない場合など、事前に説明をしていてもクレームになるケースが事が多くあります。
私の体験としては、屋根の葺き替え工事中のちょうど屋根をはがし終えたところにゲリラ豪雨が直撃してお客様のお宅が盛大に雨漏りをしてしまい、工事担当の人間だけではなく営業担当の私も謝りに行くことに。
その日私は休日で家族とレジャーに出かけてでいましたが、例のごとく携帯電話が鳴り、レジャーを中断して家に帰りスーツに着替えてお客様のお宅まで急行。そこから4時間以上お客様に罵られ、何度も何度も土下座をして、そのまま会社に出社して事後処理。家に帰ったのは夜12時を過ぎていました、休日は台無しです。
お客様に非はありません、突然の天候の変化なので工事の人間にも非はありません、お客様には家財を濡らしてしまい申し訳ないと思います。しかし、私の家族との時間はどうなるのでしょうか?プライベートはどうなるんでしょうか?
このようなことは珍しく無いのです。その度に休日が台無しになったり、終業後も延々と電話で対応しなくてはいけない等、、、もう、うんざりです。
私は7年勤めましたが社員を切り捨てる会社のやり方に疑問を持ち辞めました
上記でお話しした内容通り、当初思っていたより過酷な仕事でしたが、経験を積むことで契約も安定して取れるようになり、社内で私は必要とされていると信じていたので7年間仕事を続ける事が出来ました。
しかし、なぜ仕事を辞める決心がついたかと言うと。ある社内全体の契約数字が悪い月に、社長が「やる気がないなら辞めてくれて構わない」と言い放ちました。
特に私より3年先輩の10年勤めた先輩がスランプで2ヵ月ほど営業成績が低迷していた為、強くあたられ、その場で解雇を宣告され辞めてしました。
その時に私は、パワハラ云々よりもまず10年も勤めて会社に貢献して来たのに、私と同じように散々理不尽に耐えてきた社員をあっさりと切り捨てる。中小企業のリフォーム営業は使い捨てのような存在なんだなと悟ってしまいしました。
このまま、こんな苦労をしてこの仕事にしがみついて人生を食い潰されて最後は使い捨てかと考えると、もはやこの仕事に未練は無いなと思った次の月には退職願いを提出していました。
プライベートを犠牲にして家族にも心配をかけて、ノルマを追いかけても結果が出なければ必要とされないなんて報われないと思いませんか?
リフォーム営業を辞めるべき人・辞めないほうがいい人
リフォーム営業を辞めたいと思う理由は様々だと思います、私の場合は会社の規模も大きくなくワンマン社長のブラックカラーでしたので、営業としての嫌な部分を特に強く感じてしまった節もあります。
しかし、あなたの会社はどうでしょうか?今辞めようと思っているのは一時的な感情ではないでしょうか?
建築業界としてはこれから、少子高齢化や空き家問題などにより、リフォームの需要は高まる一方で、これから先伸びしろのある業界と言われています。お客様の人生を共にしてきたお宅を綺麗に蘇らせる事で喜んでもらったり。仕事として、とてもやりがいのある面もあります。
その点も踏まえて、本当に今辞めるタイミングなのか一度落ち着いて考えてみてはいかがでしょうか。
辞めるべきではない人
- 新卒で就職して2年未満の人
- リフォーム営業の職務経験が1年未満で次の職も建築業界を考えている人
- 今勤めている会社が大手建築会社の人
- 屋内等の決まった場所で業務をするのが苦手な人
- 明確に辞めたい理由のない人
- 今の仕事で何も身につけていないと感じる人
もし、あなたが上記に該当するようであれば辞めるタイミングをもう少し考える事をオススメします。特に新卒、社会人経験が2年未満の方は、学生時代から就職して大きく環境が変わってしまい、何をしても辛いと感じるかもしれません。
私も入社して1年は毎日辞めたいと思っていました。しかし、どの仕事でも概ねその辛さや疲れは感じるものなのです。
第二新卒なんて言葉もありますが、中途採用の場合は新卒程、丁寧に業務や社会人としてのいろはを教えてはくれません。今のうちに社会に慣れるという意味でも、もう少し辞めるのを待った方が良いと思います。
あなたが次の就職先を建築関係、同業のリフォーム会社にと考えているのであれば1年未満の知識や経験では次の職にはほとんど役に立たないでしょう。
リフォームをはじめとする建築業界では専門用語や知識が当然のように扱われています。その割に覚えることが多いので、転職した際に「そんな事もわからないの?」となってしまいがちです、自分自身の勉強の為と思ってもう少し経験を積むのも大事ではないでしょうか?
私が中小企業に勤めていたという経緯もありますが、大手企業のリフォーム営業であれば昨今パワハラ等が問題視されている時代に私のような経験は無いのかなと思います。大手から中小へ転職を考えているのであれば、上記の私のような経験をする事になりかねません、転職前に会社の実状をしっかりと調べた方が賢明です。
業務中に外出できるのが営業の良さの部分では無いでしょうか、屋内で決まった場所での作業や業務を苦痛に感じてしまう事もあるかもしれません。
今の仕事をなんとなくで辞めてしまうのは非常に勿体無い事です、もしあなたが何も仕事で身につけられていないと感じている状態でそう考えているのであれば、転職先でも同じように辞めてしまう事を選択してしまうかもしれません。
今している仕事のここが良い、ここが悪い、ここは頑張った、ここは我慢ができない等をしっかり感じ取り何か一つでも身につけた、やり通した等の経験をする事で転職活動に自信をもって挑むことができるかと思いますし、今後思わぬところでその経験が武器になる事もあるでしょう。
辞めてもいい人
- メンタル面に限界が来ている人
- 建築業界に以外に転職を考えている人
- 人と接する仕事に嫌気がさしてしまった人
- 家族や知人に心配や迷惑をかけている人
- 勤めている会社がブラック企業だと感じている人
- 次にやりたい事が明確に決まっている人
上記に該当するようでしたら、リフォーム営業もしくは今の会社を辞めてしまっても良いと思います。
特にメンタル面での健康はとても重要です。メンタルが完全にやられてしまうと転職をしても仕事に支障がでます。
私自身はあまりメンタルが不安定になっている自覚が無かったのですが、転職してこんなに心穏やかに仕事ができるのかと自分がいかにギリギリだったのかと実感する事ができました。
リフォーム営業を辞めるときの注意点
- 個人情報の管理
- 今進行している、お客様の引継ぎ
- 1~2ヵ月の余裕を持った退職
リフォーム営業ではお客様の個人情報の取り扱いがとても多いです、会社によって裁量は違ってくるかと思いますが資料や個人情報を持ったまま辞める事が無いようにしましょう。退職後に個人情報の流出などで問題になると非常に介です。
また、商談が進行中のお客様に迷惑が掛からないようにするためにも、会社と相談して他の営業に引継ぎを済ませられるよう自分の担当しているお客様の数に合わせて余裕を持った退職を考える必要があります。
どのような理由があったとしても自分に仕事を任せてくれているお客様に迷惑をかけない配慮はマストです。
リフォーム営業からのおすすめ転職先
リフォーム営業からリフォーム施工管理者(現場監督)
リフォーム営業からの転職で一番のオススメです。共通するリフォームの知識や経験を活かす事ができますし、当然ながらノルマや新規開拓の為の飛込み等もありません。
住宅に関する知識も経験を積むことで、さらに深める事が出来ます。
お客様とのやり取りも多少ありますが、基本的には契約済みのお客様なので精神的に非常に楽です。お客様のお宅を綺麗に蘇らせる事で喜んでもらったり、やりがいのある良い面はリフォーム営業と共通している事もオススメできる点の一つです。
リフォーム営業からメーカー勤務
リフォーム営業の仕事柄、多くの住宅メーカーの商品を扱います。住宅関係のメーカーだと今までの経験や知識を十分に生かすことができる職業かと思います。
少しでも携わった事のあるメーカーなら全く初めての仕事でも取り組みやすいのではないでしょうか?しかも、メーカー勤務の場合営業以外にも開発等様々な職種につく事も可能ですので営業職自体に疲れてしまっていても選択の余地があるのではないでしょうか?
リフォーム営業から設計士、インテリアプランナー
建築業界において、設計とプランナーは必須の職業です、リフォーム営業よりも経験や知識を必要とする職種ですが、業務を通じて勉強をつづけて専門の資格取得をすれば将来的に独立することも可能です。
打ち合わせの為にお客様と接する機会もあるかと思いますが、営業職程のストレスも無いかと思います。
技術や知識を身に着けてしまえばどの会社に転職しても共通した仕事ができるのが一番の魅力じゃないかと思います。
リフォーム営業から転職するときのポイント
退職前にその後のビジョンを明確にしよう
私が退職をする時にまず考えたのは、退職した後どうしようかという事でした。
会社や営業にうんざりして辞めようとしているわけですが、家族もいるので仕事をしないという選択肢はなかったので転職を考えました。
そこで私は、自分はどんな仕事が合っているのか、仕事を探すにはどうしたらいいか、退職して次の職に就くまでの期間どれくらいかという事を明確に決めることにしました。
転職サイトへの登録や知人に声をかけた
私の場合、退職してから転職するまで期間をあけるのはとにかく避けたかったので在籍中に転職先を探す必要がありました。まずはスマートフォンで転職サイトに登録、昼休み等業務の合間に希望の職をさがしました。
同時に建築関係の知り合いや会社に来るメーカーの営業マンに声をかけて求人募集の情報を集めました。
私は次の仕事も住宅関係の仕事につきたいと事前に明確に決めていたので、求人を探すのは難しくありませんでした。
転職サイトで応募の際に事前に現在自分が現在勤めている会社に在籍している上で転職を考えている旨などを先方に伝えておくと、面接などの日取りや時間は相談に乗ってくれる場合が多いので、臆せずしっかりと自分の現況は伝えるようにしましょう。
退職の希望日は余裕を持ってしっかり伝える
転職のあたりがついたら、退職の希望日は余裕を持って伝えましょう。
辞める時の注意点でもお話しましたが、商談が進行中のお客様がいる場合、突然営業マンが辞めてしまっては大変な迷惑を掛かけてしまいます。どんなに嫌な職場だったとしても、罪の無いお客様に迷惑をかけるのは望ましくありませんし。
同じ業界で転職を考えているのであれば、いつどんな形で関係者とまた繋がりができるかわかりません、喧嘩別れのような後味の悪い辞め方も避けるべきです。
会社と相談して他の営業マンに進行中の業務を滞りなく引継ぎができるように配慮しましょう。
まとめ
私はリフォーム営業を辞めて、毎日が良い方向に変わりました。今は純粋に仕事にやりがいを感じていますし、家族との時間をしっかりと確保する事が出来ていますので公私共に充実しています。
もう寝言で謝罪をする事もありません。
辞めたい理由は人それぞれです、しかし今仕事を続けている事にも理由があるはずです。あなたはそれ故に悩んでいるのではないかと思います。
もしあなたが今リフォーム営業を辞めようかと悩んでいるのであれば、考えてみてください。今、あなたの周りの人は笑っていますか?応援してくれている人はいますか?自分は楽しく仕事ができていますか?
それ以上に今の仕事を続ける事が重要な事なのでしょうか?
世の中には沢山の仕事があります、私がそうだったように仕事を続けなければならない理由が必ずしも今続けている仕事でなくて良い事もあります。
そして、それを最終的に決断して行動をするのは他の誰でもないあなたです。今までお話した私の経験があなたの判断の材料になれば幸いです。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。
診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。
辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。
(診断時間は約5分です)