「”経済の血液”であるお金を扱うプロとして、日本企業の活性化を図りたい…!」「新聞に乗るようなファイナンスを実行して、ダイナミックに経済を動かしてみたい!」

こうした高い志を持って銀行に入行する方は、非常に多いことかと思います。

最近でこそコロナ不況に伴って給与水準が落ちた、斜陽産業だと言われる銀行業界ですが、それでも「メガバンク」と呼ばれる都市銀行の行員を続ければ、普通の会社員と比べて高い給与を貰うことができます。

私も両親が地方銀行員だったこともあり「社会に出るなら、まずは銀行員になってお金のプロになりたい、たくさん稼ぎたい!」と、都市銀行である三井住友銀行から内定をゲット。しかし、配属初任地となった支店で「銀行の現実」を目の当たりにし、数年間は歯を食いしばって転勤も経験したものの、現在はコンサルティング会社へ転職しています。

決して、銀行員が最低の仕事であると言いたいのではありません。

高い給料が貰え、人からの見栄えも良く、実際に何億というお金を扱うダイナミックな仕事ができる…。それでも転職したいと悩んでしまい、本当に転職したのはなぜか。

私の転職経験、その時々で感じていたことが、いま同じように銀行員としてキャリアを悩んでいる方の参考となるものであれば、非常に嬉しく思います。

【この記事を書いた人の経歴】
三井住友銀行⇒船井総研⇒大手外資系コンサル

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三井住友銀行を辞めたくなった理由

びっくりするほど「昭和」の社風

銀行の窓口、特にここ数年の都市銀行の窓口と言えば、見た目の麗しい女性行員が丁寧に対応をしてくれるもので、とても銀行が閉鎖的な社会であるそぶりは見えません。

しかし窓口を一線超えれば、そこには役職順に奥から事務デスクが並んだ典型的な日本型のオフィスが控えており、その順番は「絶対不可侵」なものとして場に重い空気を漂わせています。

  • 支店長の発言には、原則として口答えをしてはいけない
  • 何をするにも監視カメラがある場所で仕事をし、書き損じの修正1つ「承認」がいる
  • 新卒は、シュレッダーのごみ捨てからATMのメンテナンス、掃除等全ての雑用を担当
  • 常に「入行何年目」というレッテルを貼られ、下は上に絶対に逆らえない…

学生時代に部活で上下関係を経験してこなかった自分には、箸の上げ下ろしにも細かいルールがあり、どんな理不尽な事でも上からの指示には耐えねばならない環境が恐怖でしかなく、甘ちゃんながら早速メンタルを病んでしまう原因となりました。

毎日山のように発生するシュレッダー屑を、毎朝他より1時間も早く出勤し、1人地下の焼却場に運ぶルーティンワークは(今となっては良い経験でしたが)何のために銀行員になったのかとメンタルを追い込む原因にもなったように思います。

職種別のへだたりと仲の悪さ

都市銀行であれば「銀行員」と一言でまとめても、そこには様々な職種が存在しており、

  • 主に法人部署、本部等のキャリアを歩む幹部候補生の「総合職」
  • 主に個人(オーナー)部署、営業店等のキャリアを歩む「リテール総合職」
  • 窓口業務などのルーティンワークを担う「パート、一般職」

と、同じ支店の中にも、給与水準と今後のキャリアが違う人材が混在しています。

本来であれば仕事に貴賤はなく、誰もが意味のある仕事をしていると考えるべきなのですが、当時はこの「職種」によるやや差別的な発言も見られることがありました。

私は国立大学を卒業後、法人融資などを担当する総合職として地方店からキャリアをスタートさせたのですが、

「○○大を出て総合職なのに、地方店からか。キャリアの発射台が低いなあ」や、「総合職なのに、リテールの○○さんの方が良くできる」「一般職のうちらよりもらうんだから、ちゃんとミスせずに受付してよ」等、

表面上は「幹部候補生」として入行しているだけに、他の職種、特に一般職のお姉さま方にずいぶんと揶揄されて、気持ちが病んだ記憶があります。階級社会が根付いているだけに、このような発言がどうしても出やすい環境なのでしょう。

続く飲み会、ゴルフなどの出費

前述の通り、銀行員、特に都市銀行と言われる金融機関の給与水準は、一般的な社会人の平均年収よりも高くなることが多く、住宅補助等の福利厚生もいまだに充実している傾向にあります。私も都内の支店に転勤になった際は、都内の銀行寮の家賃がわずか1万円程度であり、その手厚さにびっくりした思い出があります。

しかし「年収が高い」のと「貯蓄ができている」というのは、全くの別物。コロナ禍の現在はともかく、銀行員は本当に飲み会やレクリェーション、ゴルフといった社内イベントが多く、意外にも毎月貯金ができない人も多く存在します。

例にもれず私もその一人で、新卒3年目の時に配属された総勢50人近い法人営業部にいた頃は「若手だけ」「グループだけ」「部署全体で」とメンバーを変えながら、ほぼ毎日のように夜の街で飲み会に参加していた覚えがあります。

あの当時のカードの利用明細は、正直もう見たくもありません…。20代はともかく、年次を重ねるごとに計画的な貯蓄をしたいものです。

数年おきにやってくる転勤ストレス

最近でこそ方針が変わっている銀行もあると聞きますが、銀行員は慣習上、担当顧客との癒着を避ける目的で数年おきの転勤が必ずやってくる生き物です。私がお世話になっていた三井住友銀行の総合職であれば、海外含めた全国に転勤する可能性があり、やりがいとも苦痛とも感じられるダイナミックな人事が定期的に発生します。

転勤費用は銀行負担で、転勤前後の手続きも非常にスムーズに進めてもらえるのですが、それでも結婚、出産、住宅購入などのライフイベントは非常に立てにくい性質があります。

私も初任地は出身地とは何ら関係がない九州の支店に配属となり、やっと土地柄に慣れてきたなと思うタイミングで急遽東京都内の部署に転勤となったことで、当時お付き合いしていた九州の彼女と、2年近く遠距離恋愛を強いられた思い出があります。

コロナによって自由な働き方ができるようになってきている現在、いよいよこの仕組みも成立しなくなってくる可能性もあるのではないでしょうか。

減点方式の人事競争

「銀行員は、人事が全て」。

大人気ドラマにもなった銀行員の物語である「半沢直樹」に出てくる有名なフレーズですが、これはまさに言いえて妙で、銀行員は人事の良し悪しでその後の居心地の良さが全く変わってしまいます。

実は同じ看板を掲げている銀行の支店には全て「店格」という行員しか分からないランクが付与されており、地方都市より政令指定都市、政令指定都市よりも都内…という具合に「どこで働くか」が重要な出世のキーになります。

自分は九州の中小企業向け融資営業部で2年勤務したのち、東京都内のターミナル店舗に転勤したのですが、それだけで同期からの目が変わります。

それまで連絡もよこさなかった同期が、入行時研修ぶりに「栄転だね!ご飯でも行こうよ」と連絡をよこしてきたり、逆に田舎の法人営業部に転勤が決まった先輩が「俺は、しょせんこのレベルさ」と自嘲する姿を見たり…。

正直、大人になってまで受験競争のような出世レースの露骨さを味わうのは、苦痛でしかありませんでした。

「債権者」という立場での、特殊な営業スタイル

これは特に法人融資を経験する若手総合職のならではの苦痛ですが、銀行の融資営業ほど、世の中で特殊な営業スタイルもない、と今でも感じています。

というのも、銀行員の商品である「お金」は「信用」という、目には見えないものの大きさを決算書等で図って提供する仕組みです。端的に言えば、

①お金が欲しいと思っているが、信用がない顧客、②お金はいらないと思っているが、信用はある顧客

がいれば、①を救うべきと思いながらも、②にしか融資実行は許されません。罵倒されても「三井住友銀行さんはケチだ」と言われても、融資を謝絶せざるを得ないのです。

サービスが欲しいという需要と、サービスを提供する供給だけで営業が決まらない特殊なスタイルは、銀行員の営業の難しさを生み出しているとも言えるでしょう。

私も毎月何億という貸金目標を部内で立てられる一方で、貸したい顧客には煙たがられ、借りたい顧客にはケチだとののしられる日々は、正直「何のために仕事をしているのだろう」と嫌気がさしていました…。

三井住友銀行を数年で退職しコンサルティング会社へと転職した理由

「債権者」ではなく「対等な立場」で仕事がしたかった

前述の通り、債権者営業は「売りたい」「買いたい」という意思がマッチすれば売れるというものではなく、そこには常に審査という目線が介入してきます。

もちろん、通常の売買でも売掛金の回収リスクはあると思いますが、融資という商品は本当にそのハードルが高いものです。

私は数年間のキャリアながら、こうした銀行員の難しい側面から解放され、もっと顧客の「買いたい!」という欲求を意のままに満たしやすい仕事がしたいと感じるようになっていました。

「貸し手」ではなく「借り手」目線で仕事がしたかった

銀行員は、債権者になるという立場上、法的に企業に対して強い立場から発言することが可能であり、いざお金が返せないという顧客に対しては、やや高圧的な態度で返済計画を迫ることだって、できる背景があります(もちろん、三井住友銀行がそのような高圧的な態度ばかり取っているわけでも、理不尽で非合法なことをしているわけでもありません)。

当時の私は青臭い考えながら、こうした「貸し手」独特のスタンスに耐えられなくなり、今度は「借り手」側の立場にコンサルティングという手法でアプローチする仕事をしたいと考えるようになったのです。

自分の裁量が大きな環境に移りたかった

これはひとえに人間関係構築が上手ではなかった自分の問題が大きいですが、銀行員は常に「サラリーマン根性」を使って、上司に従い品行方正・従順でいることが求められます。プライベートでも上司に気に入られるようにバカができる人間が出世し、気後れしてしまう自分のような人間は「面白くないやつ」として、どうしても浮かばれにくい環境です。

当時の私には、自分のパフォーマンスがそのまま年収に反映され、裁量大きく仕事ができそうなコンサルティング会社という選択肢が、本当に魅力的にうつったのでした。

【補足】転職後の正直な感想

転職して何よりも良かったのは、とにかく規則が緩く、自身の裁量でできる仕事の幅が急激に広がったということでした。

銀行時代は資料を顧客に提出すること1つでも2人、3人の印鑑を貰わないと進められない環境でしたが、現職ではそこも自己判断で業務を推進することが可能です。もちろん、その分自分に降りかかる責任は大きくなるためプレッシャーもありますが、抑圧されている環境からは脱却できました。

一方、コンサルティング会社は悪い意味でも自由なので、残業は「見做し」であり、時には実態の残業時間が申告上の2倍になるようなこともありました。

もちろん、会社に強制されているのではなく、その意味でブラック企業だとは言えないのですが、自制心をもってプライベートとのバランスが取れないと、沼にハマってメンタルを病む…という可能性も高い環境だと思っています。

三井住友銀行を辞めるべき人・辞めないほうがいい人

辞めるべきではない人

  • 大企業、富裕層を担当したことがない人
  • 「いわゆるエリートサラリーマン」の生活を望む人
  • 3年未満の勤務経験しかない人

上記に該当している方は、現在メンタルを病むほど辛いということでなければ、いったん3年勤務するまで現職に踏みとどまるのをお勧めします。

転職が国内でも当たり前になり「石のうえにも3年」という言葉も今や古いのかもしれませんが、とりあえず3年は三井住友銀行で勤務したという実績があれば、まず第2新卒転職で書類が通らないことはありません。それほど都市銀行のブランドは根強く、市場から信頼されていると感じます。

むろん、私もその勤務歴と若さを評価いただき、転職することができました。

また都市銀行の仕事は、正直一般的な法人融資部署を経験するだけではその面白さが分からないというのも事実です。近年は単なるファイナンスだけではなく、海外部署を絡めた本当に高度な仕事も増えており、若手時代に経験する仕事だけで見切りを付けるのは非常にもったいないと考えています。

私はそれでもメンタルが耐え切れずに転職してしまいましたが、近々転勤のチャンスがあるかもしれないという方は、踏ん張ってでも転勤後のキャリアを見てから、今後を判断するのが良いのではないでしょうか。

なお我慢できずに退職した私ですら、1年目のタイミングで辞めることなく、東京の大企業向け融資を扱う部署を経験しておいて本当に良かったと痛感しています。

1年目、2年目の仕事はしょせん「チュートリアル」のようなもので、本質はもっとキャリアを深めないと分からないということです。

辞めてもいい人

  • 1件以上「自分でやった」といえる案件をクリアした人
  • 今後、起業等を見据えてキャリア形成をしたい人
  • 型にはまった仕事がどうしてもできない人、メンタルを病みそうな人

一方、上記に1つでも当てはまる方は、勤務期間に限らず転職しても問題ないと考えます。

銀行員はマルチに何でもでき、サラリーマンスキルも高い傾向にありますが、それは行内の完璧なシステム・仕組みを駆使したらの話で、ひとたび社会に放り出されたら「潰しがきかない」と言われることも多い仕事です。

一応自分で担当業務を持ち、完遂して一通りの基本を学んだ段階で、次の明確な目標が出たら思い切って動くのもアリと考えます。

また、銀行は抑うつ状態になりやすい閉塞感ある環境なのも事実です。ミスを許さず、減点方式で人事も決まる環境故に、抑うつ状態に陥る人は多くいます。

私も新卒3年目でメンタルクリニックに通うほど心身を病んでしまった経験がありますが、その後回復までには相当の時間をロスしてしまったため、健康を害するほど追いつめられているのなら、無理せず退職してしまいましょう。

私もわずか数年で三井住友銀行を退職しましたが、今も普通に社会人生活を送ることができています。

三井住友銀行から転職するときのポイント

  • 自分で担当した業務を具体的に整理し、語れるようにする
  • 銀行ブランドを捨ててまで転職したい理由を明確にする
  • 「自分だけで」最終決断を下す

三井住友銀行という会社は、本当にすごい会社です。日本経済の中心で金融機関として数々の企業を支えており、その年収や福利厚生、周囲からの信頼やブランドイメージは相応のものがあります。

私も自分の勤務先を書類に書くだけで「うわあ、エリートですね」と店員さんに言われた経験がありますし、未だその堅実さは捨てがたいものでしょう。

あなたは、そのブランドを捨ててでも達成したい、実現したいキャリアがありますか。

「誰かが言っているから」ではなく、自分が納得して、三井住友銀行のキャリアを終えることができますか。通り一遍の意見に聞こえるかもしれませんが、自分のこれまでのキャリアで自信を持って語れる内容があるかを紙に書き出しながら、もう1度じっくりとこの点を精査するのが良いと思います。

まとめ

銀行を辞めるというあなたの決断は、最後には誰にも変えることができません。両親が銀行員で、銀行こそが安定のキャリアだと信じてやまない家に育った私も、最後は親の反対を振り切ってコンサルティング会社への転職を決断しました。

その決断をするためには、一次的な感情やマイナスイメージにとらわれるのではなく、メリット、デメリットを冷静に判断して、捨てるものも確実にあることを理解して歩みを進めねばなりません。

私は転職した決断は、総じて「良かった」と感じています。それは上記の取り組みを忘れず、銀行の上司に退職を切り出すその前日まで突き詰めて考えたから得られた結果に他なりません。

読者の皆さんの決断が、どうかその後の人生を彩るものであることを、強く願っています。

まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?

もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。

(以下のように診断結果が出ます)

診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。

辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。

(診断時間は約5分です)

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問:あなたが解決したいお悩みは?
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この記事の監修者

株式会社eia 大嶋

 

この記事の企画・監修者は株式会社eiaの大嶋です。クラウドソーシングサービスより実際の体験談の執筆依頼・インタビュー調査した内容をまとめた記事になります。

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