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インフラとは、いつの時代も無くなることのない強固な業界の一種です。それゆえ事業を運営するのは一般的に大手と呼ばれる起業が多く、待遇も手厚いイメージがあります。

「安定した職場で働きたい」「社会貢献度の高い仕事がしたい」そう考えてインフラ業界を志望する方々は多いのではないでしょうか。 
 
私自身も、インフラ業界という安定性に魅力を感じたため、東京電力グループの会社に新卒で就職し、2年以上が経過しました。特に、大学でエネルギー関連の学科を専攻していたこともあり、就職活動中の志望度はかなりのものでした。

しかし私を待っていたのは理想とは大きく異なる環境でした。社会人になって間もないこともあり、自分にはこの業界への適性が無いのではないかと毎日思い、一年目から辞職を考えていた程です。
 
今回は私の体験談も踏まえながら、電力会社というのがどのような職場環境なのか、いい面、悪い面、待遇や職場環境についての様々なことを記事にしました。自分の進路に悩んでいる方は、是非ともご参考にして頂ければ幸いです。

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電力会社を辞めたくなった理由

仕事が決まり切っている・創意工夫の余地が少ない

 
 
創意工夫の余地という点においては、電力会社の中で動ける行動範囲は狭いように感じます。私自身は現職において、事務作業や変電所点検の現場監督を行っていますが、とにかく工夫しにくい環境です。

例えば業務をする中でこのような順番でチームで仕事をすれば効率的に終えられるというのはあります。しかし、「自分のアイデアが採用され、成果に結びついた」という大きな達成感を感じるような場面はありませんでした。

営業職についても同じで、インフラという業界の性質上、ルート営業の性質が強く顧客も決まり切っています。そのため人によっては新鮮味に欠ける印象を受けるかもしれません。

もちろん役職が上がればそのような機会に恵まれる事もあるかもしれませんが、下記の理由も含めてそこまでの道はかなり険しく感じました。
 

強い年功序列制度

 
 
私の勤める会社は良くも悪くも体質が古く、成果そのものよりも勤務年数や年齢などを強く重視する傾向にありました。

勿論、多少スキルや営業成績面で遅れを取っていたとしても、安定した給料を貰える良い面もそこにはあります。しかしそれ故に、成果を出しても昇給などの出世に結びつかないケースが多くありました。

あくまで「社員の考えはみんなの考え」という方針がメインであり、「バリバリ働いて色んな業種を体験したい」という方には向いていないと思います。

また、希望の職種に就く為に、かなりの時間を費やしている方々も少なからず存在していました。 
 

やりがいが薄れていく

 
 
「インフラ業界としての使命感を持って働きたい!」という考えのもと、私は今の会社に就職しました。

しかし、いざ毎日やってみるとルーチンワーク的な仕事に追われる日々で、しばしば「こんな仕事がやりたかったんだっけ?」と思いながら働くようになっていきました。

そのため、「自分の力が認められた!」と仕事の中で思える機会があまりなく、無味乾燥な印象を私の場合は抱いてしまいました。

実際に、私と同じような悩みを抱えている社員は多く存在し、私よりも待遇が良いにも関わらず転職した方もいました。

また、就職前の、企業研究の段階で希望していた再生可能エネルギーを開発するための部署が、実はあまり利益を出しておらず、事業などが形骸化していたという事実を入社後に知ったことで、落胆してしまったこともあります。
 

思ったよりお金が稼ぎにくい

 
大手企業ということで、法令順守意識はかなり強いです。世間で言われるブラック企業などとは違い、残業代も申告すれば出ます。ただし成果給などの割合が少ない分、給料や賞与が大きく上がるという状況にはなりにくいです。

また、残業などがそもそも禁止されている場面も多くあり、働いてお金をたくさん稼ぎたいという活発な人には向いていないと思います。

また、休日手当などの各種手当も多く存在しますが、手当を貰う状況で働く機会が夜勤以外ではそこまで無いため、もどかしく感じる人も社内には何人か居ました。
 

夜勤が多い

  

インフラということもあり、トラブルや他の会社とのスケジュールの関係で夜勤に駆り出されることもしばしばあります。夜中ということで、業務をミス無くより慎重にこなさなければならない分、精神的負担も増加します。

中には会社で寝泊まりし、家に帰らないという人も中には存在します。

勿論夜勤手当は支給されますし、前もってスケジュールは決められる為、急に夜中に出勤ということはそこまでありませんが、それでも生活習慣の乱れを招く恐れがあるため、人によっては辛い業務になると思います。

電力会社を辞めずに踏みとどまった理由

  • やはり待遇は良い
  • 景気に左右されない会社体制
  • 労働組合が存在する
  • 社員教育がマニュアル化されている

私が現在の職を辞めない理由は、主にこの三つです。
 
まず一つ目は、社員への福利厚生制度が整っているということです。例え新入社員であっても有給は事前に申告すれば、よほど酷い理由が無い限りは取得できます。

また、社員全員が使用できるカフェテリアプランなども存在し、ショッピングの割引などが適用されるサービスも存在します。また、転勤も多くありますが、その場合は福利厚生で社宅を用意し、金銭面での負担を軽減する取り組みも行われています。とにかく社員への制度が整っているのが強みです。
 
二つ目は景気に左右されにくい事です。他社、特に飲食業などの企業の従業員への給与が待遇が目に見えて悪化していく中、私の会社は給料も賞与も通年通り出ました。

また、コロナ禍で業務を遂行したという実績から、報奨金を支給された社員も大勢います。生活水準が悪化する人も居る中でこの経営基盤の強さに勝る業界はそこまで多くは無いと私自身も感じています。
 
3つ目はしっかりとした労働組合が存在することです。会費こそ給与から天引きされるものの、社員の希望や社内の問題などを経営陣に提言し、社内環境を良くしていこうとする姿勢があります。

他の会社では形骸化しているケースもありますが、法令順守意識の強い電力会社においては、その存在は強いという印象を受けました。例えば、上記のコロナ報奨金なども、元は労働組合の提案によって生まれた制度です。
 
4つ目は、社員教育がマニュアル化されているという事です。入社時にはマニュアルに沿って業務を進める方針に従うため、社会人としての着実なマナーやスキルが身に付きやすいです。

研修用の施設があらかじめ用意されていたり、インターネットによる研修も行われるため、学ぶ事に関しての部分では他の会社よりもかなり手厚いという印象を持っています。

私自身もこの会社で吸収出来ていない部分が多いと感じているからこそ、現在の職を続けています。

電力会社を辞めるべき人・辞めないほうがいい人

辞めるべきではない人

  • 決まり切った作業が苦にならない人
  • なんとなくで辞めようとしている人
  • 大きな成果を出すのが苦手な人
  • 特にやりたい仕事にこだわりが無い人
  • 夜勤が大丈夫な人

 
以上の部分に該当する人は、とりあえずは電力会社を辞めない方がいいと思います。

特に不景気では電力会社のような安定した職業を見つける事は難しく、「自分に合ってなさそうだから辞める」では転職先でもっと劣悪な職場に入らざるを得なくなった時、かえって状況を悪化させかねません。

辞める場合は、自分の人生の方向性をしっかり決めた上で学ぶべき部分をきちんと学んでからにすべきです。

そうすれば、他社の面接などにおいても、自分のやってきたこと、学んできたことを自信をもって述べる事が出来き、転職のチャンスも広がります。 

また、仕事そのものにこだわりが無い人にとっては、電力会社は理想に近い企業かもしれません。ブラックかホワイトかで言えば間違いなくホワイトです。

夜勤手当も他の会社より多く支給されている印象があり、インフラ業界は伊達じゃないなと思うこともしばしばあります。

辞めてもいい人

  • 自分の道が決まっている人
  • アイデアを活かして働きたい人
  • 色んな業種を経験したい人
  • バリバリ働いて稼ぎたい人

 
 
上記の特徴に当てはまる人は辞めてもいいと思います。ルールや序列に囚われず、大きな目標に向かってチャレンジしたいという人には、電力会社は向いていません。

勿論そのような事に挑戦する機会というのも長い目で見ればありますが、それに取り組むための5年10年の下積みの時間は人によっては途方も無いと感じると思います。

また、とにかく稼ぎたいという人は、不動産業界などの、インセンティブの割合の高い業界に行くことをお勧めします。

いずれにしても、電力会社を辞める際は、「自分がどうしたいか?」という進路を明確にしなければなりません。

電力会社を辞めたいあなたに最後に伝えたいこと

待遇面は間違いなく良い

 
 
ホワイト度で言えば、電力会社は高めの傾向にあります。その場の感情に任せて退職すれば、自らの首を絞める結果を招きかねません。就職できた人は、学ぶべき部分はキチンと学び、自分の血肉にすべきです。

特に、社会人としてのスキルを学ぶためのファーストキャリアとしての環境は、比較的整っていると言えます。

問題点は企業体制と業務内容

 
 
電力会社を辞める人の大半は、業務内容や人間関係などのミスマッチが大半です。どんな業務が自分に向いているのか、向いていないのかを在職中に把握しましょう。

その上で、もし自分が活かせそうな道があれば、ダメ元で上司に相談してみるというのもアリだと思います。

決断は慎重に

景気に左右されない企業の存在は現代では貴重です。折角苦労してインフラ業界に就職したにも関わらず、いざ転職して「前の会社の方がマシだった」という事態になってしまっては元も子もありません。

転職する場合にも、リスク管理を慎重に行わなければなりません。

まとめ

 
 
この記事を通して私が一番伝えたかったのは、「電力会社の内情」と「転職時の心構え」です。ここまで良い面や悪い面を記事にしましたが、電力会社は、ある人にとっては苦痛かもしれませんが、またある人にとっては理想に近いかもしれない会社です。

私自身意識している事ではありますが、会社とのミスマッチを理由に逃げ道に走るのではなく、「これがやりたいからこそ、電力会社を辞める」という人生計画が必要です。 

私自身も、日々の仕事以上にやりたい仕事が見つかったため、現職はスキルを多く取り入れてから将来的に辞めようと思っています。

それと同時に、電力会社はファーストキャリアを積むには適している環境であると実感しました。体制としてはそれぐらい魅力的な会社であることは事実です。だからこそ、慎重になるべきです。

この記事が、あなたの将来を決める参考の一つになれば幸いです。

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この記事の監修者

株式会社eia

 

この記事の企画・監修者は株式会社eiaです。クラウドソーシングサービスより実際の体験談の執筆依頼・インタビュー調査した内容をまとめた記事になります。

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