【この記事の執筆者の経歴】
メガバンク⇒船井総研⇒大手企業向けコンサルティングファーム

日本は中小企業大国、会社の9割以上は中小企業と言われ、これら企業の業績の良し悪しで経済状況が決まると言われています。そんな中小企業の経営者を「コンサルタント」という肩書きをもってサポートし、課題解決に導く…。

株式会社船井総合研究所は、内資系ではトップクラスの中小企業向けコンサル会社として、その立ち位置を不動にしています。特に中堅・中小企業向けのサービスを展開したい、コンサルタントになりたいと考える人にとっては、魅力的な会社でしょう。

ただ、コンサルタントと聞くと「華やか、論理的、かっこいい…」といったイメージはある一方、実際の仕事は無形ビジネスのため、どんな仕事をしているのかが分かりにくいのではないでしょうか。

私は、株式会社船井総合研究所で3年以上働き、日本全国の中小企業の経営者さんと向きあってきました。そこで「コンサルタント」という仕事の生々しさを肌で感じ、時には大変つらい経験もしました。そして現在は、外資系の大手企業向けコンサルティングファームに転職し、同業種ながらまったく違う仕事に従事しています。

なぜ、内資系では特別なポジションを確立している上場企業で働きながら、転職へと舵を切ったのか。中小企業向けのコンサルティングの現実とは。現在コンサルタントとして働いているが、向いていないので転職したい…。

今回は、このような

  • コンサルタントにジョブチェンジしたい
  • 逆に、コンサルタントが辛くて辞めたいと思っている
  • 船井総合研究所で働いてみたい、逆に辞めたい

と考えている方に向け、私なりの仕事観をもってアドバイスしたいと思います。以下の記事が少しでも、皆さんの今後のキャリアのプラスになることを願っています。

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【船井総研のここがやばい】私が辞めたくなった理由

良くも悪くも「自由すぎる」社風

船井総合研究所(船井総研)は、良くも悪くも間違いなく「自由」な社風です。

  • 自分がやりたい業界の中小企業を狙って、好きに営業して構わない
  • 自分がやりたいだけ、仕事をしても構わない
  • 土日であろうが、パソコン・スマホはシャットダウンされない(容量無制限)
  • 自分がやりたいサービスを、自分で起案して作っても構わない…
  • 日本のどこの中小企業でも、受注したら訪問して構わない

と、本当に上場企業なのかと疑うほど、社員1人1人に一定以上の裁量を与えてくれる環境が用意されています。私は前職が比較的規則の厳しい業界で仕事をしており、何をするにも「稟議」が必要な環境だったので、その自由度の高さには本当に感動したのを覚えています。

一見、個人事業主に近いような勤務形態、と考える方が正しいかもしれません。

一方で、あまりに自由すぎる環境はモラルハザードを生みやすく、

  • クレーム案件等の責任の所在があいまいになりがち
  • 教育プログラムが整備されておらず「どうぞ勝手に学んでください」というスタンス
  • 会社のスマホ、PCが土日でも使えるため、エンドレスで仕事をしてしまいがち
  • 声の大きな人が主導権を握って「おいしい仕事」を奪いがち

と、自由がゆえのストレスを感じることも多かったです。

特に、海千山千の中小企業をクライアントとして担当するなかで、土日も稼働している不動産業、小売業を担当すれば、いくら船井総研が土日祝日を休みとしていようが、経営者から際限なくチャットが来る時もあります。

船井総研はそのタイムマネジメントもすべて従業員に任せるスタンスのため、私のような自己主張の仕方が下手で、何でも仕事を受けてしまうタイプには、仕事が増えるたびに苦しい環境になってしまいました。

厳しい営業ノルマと低い顧客単価

船井総研のコンサルタントほど、営業~業務の受注・継続を一気通貫で、文字通り「全部」経験できる貴重な仕事はありません。

他社であれば業務に応じて各部隊が分かれ、たとえば営業と業務推進の部署が明確に分かれる等「縦割り」が進んでいますが、船井総研はいちコンサルタントが各自年間で稼ぐべきコンサルフィーを掲げ、

  • 見込み顧客を集客するための「DM、チラシ作成」
  • コンサルティングパッケージを売り込む「セミナー企画」(講師も自分で担当)
  • 実際に希望をいただいた企業に対する「営業(経営相談)」
  • 個別コンサルティングを受注し、実際に成果を出す「コンサルティング」
  • 継続的にコンサルフィーを稼ぐための「既存顧客の保全(継続提案)」

等を、すべて自分主導で進めています。コンサルタントという肩書きがあり、現場で成果を出せても、見込み顧客が継続的につかめる営業力がなければ、満足な給料をもらえない厳しさがあるのです。

ある意味、独立を目指す方にとっては、会社に守られながら泥臭い稼ぎ方を学べる点で、非常に良いキャリアだと思います。

ただ、大手企業に比べて支払い能力低い零細・中小企業から取れるコンサルフィーの相場は、どうしても1か月20万~30万円程度です。最初は数社受注すれば達成できる営業ノルマも、昇格しノルマが上がると、常時15~20社を担当しないと達成できない状況が出てきてしまいます。

私は幸いにも3年以上の勤務で、1度も営業成績が未達になったことはありませんでしたが、退職する直前には20営業日で25社以上を担当するなど相当カオスな勤務環境となり、正直まともに睡眠することすらできないほどに追い込まれてしまっていました。

前述の通り、これも船井総研においては自らで業務を管理できなかった自己責任となるのですが、それにしても本当にきつかったな…と振り返ります。

画一的なコンサルティングへの退屈さ

前述の通り、船井総研で一定以上の年収(例:700万円以上)を稼ぎたいならば、顧客単価が低いため常時15~20社の中小企業をコンサルティングの顧問先として抱え、日本全国を飛び回って仕事をしないといけません。

はじめは「企業に深く入り込み、頭を使って成果を出す」と高い志をもって入社してくる方も、いつしか「画一的な手法で効率よく稼げる手法」「コンサルティングのテンプレート」を求めるようになり、自分は何のためにコンサル会社に入ったのか…と悶々としてしまうケースが後を絶ちません。

多くの船井総研社員が、稼ぐこととコンサルティングスキルを極めることのはざまで、葛藤を覚えてしまうのです。

私も、年収700万円以上を船井総研で稼いでいた時がありましたが、その時はもはやコンサルティングはどこへやら、いち企業への準備は移動中の新幹線や飛行機の中、食事もままならず、家庭では妻との会話も少なくなり…と、自制できていなかったせいで「ブラック企業」の働き方をしており、自然に涙が止まらなくなったことを今でも思い出します…。

新卒中心の独特な「村社会」文化

船井総研は、創業者で有名な経営コンサルタントである船井幸雄氏のマインドを、今でも非常に大切にしており「船井流」と呼称して社内のあちこちで関連するワードが出てくる強い文化が形成されています。

その考えは、一部では宗教的とも言われているようですが、内容はきわめて常識的で、私も生きていくうえで共感している考え方が多数ありました。

ただ、時にこうした船井流は、私のように中途入社で「外の世界」から入ってきた人にとっては、閉鎖的かつ排外的にも思える時が多かったように思います。

なかには何かにつけて「船井流」を強調し、自分の理不尽な要求を飲ませようとする人もいましたし、船井流に「染まった」新卒メンバーの強固な関係性のなかでは、やや仕事がしにくいなと感じてしまったこともありました。

低いコンプライアンス意識

船井総研は東証一部上場企業として、ガバナンスに乗っ取り適切なコンサルティングサービスを提供している企業です。そのコンプライアンスは当然市場により監視されていますし、決して法外なことをしているといったことはありません。

一方、当社顧客の中心は日本全国にある何万社もの中堅中小企業であり、彼らの多くは家族経営、オーナー経営です。就労規則、退職金規定、従業員社則…こうした「守り」のルールはないことの方が多く、経営者が首を縦にふれば事が進んでしまうスピード感を持っています。

だからでしょうか、私が相対してきた数々の船井総研社員は、なんとなく他社の上場企業の社員に比べて、コンプライアンス面が弱かったように感じます。残業、休日出勤、深夜チャット…これらは今日どんな会社でも厳しく制限されているかと思いますが、船井総研の一部では根強い慣習として残っており、モラルハザードが起きている現実を多数目の当たりにしました。
ある上司が、その現実を「これが船井流だから」とどや顔で私に主張してきた時は、船井流に共感している私だからこそ、開いた口がふさがらなかったことを覚えています。

私が船井総研を退職し大手企業向けコンサルティングフォームへ転職した理由

大手企業向けのコンサルティングを経験してみたかった

中小企業向けコンサルティングの醍醐味は、なんといっても経営者という最強の決裁権者の横で、スピード感と主導権を持って仕事ができる面白さを痛感できることです。

相手がサラリーマンであれば、営業提案をしても相手に決裁権がなく、ダイナミックさにかけてしまうところを、船井総研の仕事の多くが「社長がうんと言えば進む」のです。

一方、年商1億~100億円レベルの中小企業に対するコンサルティングというのは、その多くが代行業的、パッケージ販売的要素が強く、3年も同じ業務を経験すれば誰でもマスターできるようなものである事実も否めません。

大企業のリソースを使った高度で、新聞に載るような大規模な業務の一端を担うことは、よほど昇格しないと経験することはできないのです。

私は数々お世話になった経営者の皆さん、そして船井総研の環境に本当に感謝しながらも、画一的な営業ではなく、大企業向けの多人数でことを動かすようなコンサルティングを経験したいと考え、転職を決意したのです。

業務量対比の年収に嫌気がさしてしまった

船井総研の給与水準は、他のコンサルティングファームと呼ばれる会社に比べてやや低めです。

むろん、営業成績を残せば年収1,000万円も夢ではありませんが、そのためには日本全国を飛び回って常に20社近い企業を回りながら、継続してセミナー等を企画、営業しなければなりません。

それは、20代の体力がある若手のうちは本当に貴重な経験で、その後のキャリアにも好影響を与える丹力を得るにはうってつけだと思います。

一方、人生には家庭、育児、趣味、介護と他にも時間を使うべきことがあると思います。年々、自分の体力にも衰えが出てきて、いつまでも始発、終電で全国を飛び回るような生活には限界があることも間違いないです。

私は船井総研の仕事が本当に面白く、やりがいがあると感じていたものの、あまりのハードさ、両親の体調不良や家族を大切にしたいという思いから「もう限界だ」と、退職し、コストパフォーマンスを重視したキャリアを選択する決意をしました。

レベルの高い30代の先輩の退職が相次いだ

これは会社が悪いわけではなく、あくまで私周辺の事情ではありましたが、当時私が所属していた部署は、毎年のように稼ぎ頭の30代が退職する環境にありました。

理由は年収や、上記の内容に近しいところがメインで、毎年のように残された社員への業務負担が重くなっていく環境には、やりがいを感じながらもかなり辟易していました。

「やはり、30代になるタイミングで皆同じ悩みを抱えるのだな…」

毎日顧客への業務を回すことで疲弊しきっていた私も例に漏れず、先輩の後を追うことになったのは、言うまでもありません。

船井総研をおすすめできない人・辞めないほうがいい人

おすすめできない人

  • 「船井流」が肌に合わない人
  • どうしても営業ができない人
  • 体調面での問題を抱えた人
  • 30代以降で、仕事以外の価値観が強くなった人

上記に当てはまる方は、船井総研への就職・転職は積極的におすすめはできません。船井総研は前述のとおり、非常に企業文化を大切にしている会社で、社内でも日常的に「船井流」を耳にする機会があります。

そもそも、この村社会的な要素を「気持ち悪い」などと感じてしまうなら、船井総研のキャリアを前向きなものにするのは厳しいので、船井総研は選択肢に入れるべきではありません。個人の価値観は、人それぞれですもんね。

また、当社で一定以上の年収を稼ぐために最も必要なのは、タフなメンタルと体力、そしてコンサルティング先を切らさないための営業力等です。このスキルセットさえあれば、ある段階から心地よく船井総研人生を歩める可能性は高いでしょう。

逆に言えば、これらがどうしてもクリアできないならば、年収も臨んだ水準の金額がもらえず、年齢比ひもじい思いをする可能性が高まります。自らの適性を考え、自分の肌に合いそうにないと思うならば、もっとコスパの良いキャリアを考えたほうが賢明でしょう。

辞めるべきではない人

  • 年間3,000万円のコンサルフィーをまだ稼いでいない人
  • 28歳までの若手で、勤務が3年未満の人
  • 年収アップの求人への合格可能性が低い人

上記に該当する人は、あと数年で良いのでもう少し船井総研で粘ることを考えてはいかがでしょうか。船井総研では、年間で3,000万円のコンサルフィーを粗利ベースで稼いで一人前、という風潮があります。

これは個人的には非常によくできた仕組みで、たしかに私も年間で安定して3,000万円のフィーを稼げるようになってから、仕事の醍醐味や船井総研のビジネスモデルの優秀さに気づきました。

まだそこまで稼ぐことができていないのに退職をしてしまうと、せっかく入れた船井総研で得られる数々の経験を放り投げ、勤務歴があまり意味をなさない可能性があるかも…とすら感じます。

また、転職をするうえで重要なのが「年収」なのは言うまでもありません。船井総研は他社コンサルティングファームに比べて年収が低いとはいえ、稼ぎ方によっては年収1,000万円を稼ぐこともできる会社です。

転職しても、年収を大幅に下げてしまったり、一時的にアップしてもなかなか上昇しない会社にしか合格できそうにないなら、自由な社風を逆手にとってゆっくり船井総研で英気を養いながら、来るチャンスを待つのも得策ではないでしょうか。

船井総研への転職を考えるあなたに最後に伝えたいこと

経営者と仕事をできる面白さに価値を見出だせるか

記事を読んでいただいている皆さんの中には、「船井総研はブラック企業だ」と感じた方も多かったかもしれません。たしかに業務はハードで、私も最盛期は毎日ほとんど寝ずに全国を飛び回っていた経験もあります。

しかし本質はそこではなく、船井総研は日本全国の経営者と名刺1枚で会うことができ、彼らのスピード感ある意思決定に沿って仕事ができる面白さの部分にあります。

私は退職し、大手企業向けのコンサルティングに従事する身ですが、その面白さは決して大手向けにはありません。大手企業向けのコンサルティングファームも視野に入れていたとしても、こうした刺激は船井総研だから得られるものとも言えます。

仕事か人生か

コロナ禍に突入し、オンラインを活用したサービスが増えている現在でも、船井総研のサービスの多くは現場主義に基づく出張によるものです。

担当先によっては、始発の電車で駅に向かって新幹線に乗り、終電で帰宅するようなことも珍しくありません。独身のうちはそれもまた良い経験なのですが、人間には結婚、出産、親の病気とったライフイベントがあり、仕事だけに生きることができなくなる時も来るかもしれません。

船井総研は、ライフイベントを考えるとあまりにハードな側面があります。一方、仕事に多くをささげる覚悟のある人には、こんなに面白い仕事もないというのは事実です。

自分はどんな価値観があり、何を成し遂げたいのか。仕事だけではなく、人生という大きな視点をもって、今後のキャリアを熟慮してほしいです。

こんなに自由な会社はないということを理解してほしい

何度もお伝えした通り、船井総研は上場企業でありながら、社員への裁量がとてつもなく大きいな「自由」な会社です。

過去の社是には「自由・自立・連帯」とうたっていたくらいですから、会社もその社風を非常に大切にしていることがうかがえます。私は転職組として船井総研にお世話になりましたが、前職のルールに縛られた環境に悶々としていた私にとって、この環境は「最高」でした。

おそらく、これほどに自由な会社は独立でもしない限り存在しないだろうと断言できます。

転職を検討する方は、この「自由」を重視するかをよく考えることをお勧めします。

まとめ

株式会社船井総合研究所は、50年以上の歴史のなかでクライアントや対応業界を変化させながら、株価を伸ばして成長してきた国内有数のコンサルティング会社です。その社風、環境は他社比で非常に独特ではありますが、裏を返せばその独特さが今日まで生き残ってきた要因なのかもしれません。

それだけに「合う」「合わない」がはっきりしており、キャリアを考えるときもこうした部分を見直しさえすれば、おのずと結論は見えてくるのではないかと思います。

ぜひ、この記事を読んだ方が最善の意思決定をされることを願っています。

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辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。

(診断時間は約5分です)