例え単身赴任があると知って就職しても、時期や場所、期間などによって、かなりの負担になることがあります。
期間が長いとか、未定の場合はなお更です。それなので、あまりにも気が進まないとなると、いっそ辞めようかと思うこともありますよね。
そんな時考えたいのは、その単身赴任は、完全に納得はいかないものの折り合いがつく条件なのかということです。
例えば、長期の場合でも、帰ってくれば希望していたポストが確約されていたら、がんばることができる人もいますし、例えそうでも、家族の介護や色々な状況や気持ちの問題で、単身赴任は難しいと考える人もいます。
まさしく人それぞれなのです。だから最終的にはあなたの価値観になります。
そんな時の一助となるように、今から単身赴任が嫌で転職しようと考える場合のポイントをご紹介していきます。
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単身赴任以外に会社や仕事に不満があるのか考える
この記事の目次
単身赴任が嫌でも、会社や仕事自体が気に入っている場合は、一時我慢しても仕事を続けたいと考えることもあります。
この仕事が天職だと思うほど自分に合っているとか、会社にとても愛着があれば、考え方が変わってきます。
例え単身赴任で、自分のやっている職種と違うことをやるとしても、それも今の仕事の経験になるという前向きな気持ちになれるかもしれません。
しかしそうでもなく、生活の為に仕方なくまではいかなくても、それほどやりたいとは思えない仕事をやっていたとしたら、嫌な単身赴任をさせられるということがきっかけで転職しどきなのかな?と考えるかもしれません。
まずは、自分はこの仕事に愛着があるのか、楽しいとまではいかなくても、ある程度のやりがいを感じているのかを考えてみましょう。
もしかしたら、あなたは本当はこの仕事が合っていないと感じていても、生活の為に我慢してやっていたということに(薄々は感じていても)はっきり気づくかもしれません。
とはいえ、一時的な仕事ならともかく、ずっと続けようと思った仕事に関して、最初からやりたくないような仕事を選ぶことは少ないはずです。
最初は、あなたはどうしてこの会社に入ったのか、どうなりたかったのかを考えてみると、原点に戻ることができます。
単身赴任とは何の関係もなさそうですが、辞めるかどうかという点では、当初の志を思い出すのは自分の方向性を考える上で大切なことです。
会社に単身赴任について交渉してみる
もう実行済みかもしれませんが、もしあなたが会社と単身赴任に関して交渉できるようだったら、してみましょう。
最初の雇用契約で単身赴任があることを承知しているはずなので難しいことが多いですが、自分の好き嫌いではなく、家族のやむを得ない事情、代表的なものでは他に代わる人がいない介護、家族が病気であなたがいないと生活が崩壊するなどの切実な理由ならば、話してみる価値はあります。
判例でも「従業員に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益となる場合」は、考慮してくれることもあるようです。
もしかしたら単身赴任を無しにしてくれないまでも、期間を短くしてくれたり、赴任先を考慮してくれるかもしれません。
ただしこの「従業員の不利益」というのは、単に家を買ったばかりとか、彼女と別れることになりそう、というものは含まれませんので、やはり、やむを得ない事情で単身赴任が嫌だという以外は、会社側があなたの拒否を容認するのは難しいでしょう。
いずれにせよ、これまで会社は、どの程度ならば単身赴任の拒否を認めてきたのかを調べてみると参考になりますし、もしかしたら雇用契約で、転勤の地域が限定されていて今回は、その地域外だったということもあり得ますので、念のため一度確認してみると良いでしょう。
しかし、単身赴任を承知で就職したのに正当な理由もなく拒否すれば、懲戒解雇になる恐れがあるので、注意しなければなりません。
懲戒解雇までいかなくても、出世コースから外されたり、今後冷遇されてしまうことも考えられますので、交渉はしても、絶対に拒否するという姿勢はお勧めできません。
自分や家族の気持ちが問題の場合
前述したような切実な問題はなく、あくまであなたが、単身赴任に対して嫌だと思っているなら、どんなことが嫌で何が不安なのか考えてみましょう。
例をあげれば、
- 単身赴任先で一から人間関係を築く自信がない
- 違う業務をやらされるのが不満
- 今の部署が気に入っている
- 一人で生活する自信がない、寂しさに耐えられない
- 家族と離れたくない
- 恋人と遠距離恋愛になってしまうのが不安
- 家を買ったばかりでローン返済が不安
- 家族と二重生活で、生活費の負担が大きい
- 赴任先に行く気にならない(左遷、雰囲気が悪いことで有名、海外など場所が遠すぎるとか、自分には住む自信がない等)
こうして列挙して冷静に見ると、単身赴任してもしなくても関係なさそうなことから、あなたが辞めるしかなさそうなものまであることがわかります。
例えば、今の部署が気に入っている場合や、違う業務をやらされるのが不満な場合は、同じ勤務先の違う部署に異動しても同じことがいえます。
様々な環境がありますから一概に言えませんが、一から人間関係を築くのも、近場の勤務地に異動しても同じことですし、同じ勤務地でも親しくない人ばかりの部署でもそういうことはあり得ます。
左遷のようなものだったり、反対に自分には荷が重すぎるポジション、着任してうまくいかなそうだと分かっている場合も、単身赴任ほどストレスは少ないかもしれませんが、あり得ます。
恋人と遠距離恋愛になるというのに関しては、これはもう恋人を選ぶか会社を選ぶかになりますが、よく考えてみると、遠距離が嫌で会社を辞めたとしても、必ず彼女と結婚するかどうかはわからないのです。
また、同じ個人的なことでも家族と離れたくないという気持ちは、家族の気持ちも絡み合い、更に複雑になります。
家族一緒に暮らしたいというのは、人として当然の気持ちですが、そうできず単身赴任にならざるをえない事情もあります。その時どうするかの選択ですが、あなただけでなく、子どもの成長具合や配偶者の気持ちや事情にもよります。
どうしても離れたくない場合は転職する、または転校や配偶者の仕事があれば、その問題をクリアできれば、家族揃って転勤という選択もあるでしょう。
そうでなければ、妥協して単身赴任し休日に帰ることになるでしょう。
家のローンというような経済的な問題は、気持ちの問題だけでは片付けられないかもしれません。
例えば、単身赴任の手当が足りなくて赤字になってしまう場合で、赴任期間が長く、損失がかなり大きいときは、会社を辞めるか、家を売るなど、何らかの手立てが必要になります。
また単身赴任ではなく家族も一緒に転勤することができるなら、心の満足だけでなく生活費の節約になります。同じ節約でも、家族は配偶者の実家に住むことにして、今の家は貸して家賃収入を得ているケースもあります。
とすると、大きくいえば家のことも結局、気持ち一つともいえそうです。何が一番大切かを考えることになるからです。
以上のように詳細に見ていくと、単身赴任はあなたと家族の幸せを見直す一つの機会ともなりそうですね。
単身赴任のメリット・デメリットを徹底的に考える
あなたの単身赴任したくない理由を考えた後、あなたや家族の人生についての優先順位を考えて一度結論を出してみましょう。
更に再び単身赴任したときとしなかった時のメリットデメリットを分析して、その結論でいいのかどうか最終的な答えを出しましょう。
これは、自分や家族の様々な複雑な問題の優先順位をつけるだけでなく、漠然と嫌だな~という感情から抜け出すのにも良い方法です。書き出してみるのもいいですし、家族が関係しているならば、家族全員でワイワイと議論してみるのもいいでしょう。
一つ大切なことがあります。会議の場合、悩ましく真剣な問題なので、深刻な雰囲気になりやすいのは分かりますが、あえてなるべく楽しい雰囲気でやることです。
例えば話し合いの中で「あなたは子育てしないからわからない」とか「仕事の大変さを分かっていない」などと積もり積もったものがある場合にはお互いに責め合う場面もあるかもしれません。
けれどあまり感情的にならず、どうしたら家族が幸せになれるのかをポイントにします。そして優先順位をつけます。
例えばあなたが子どものいる家庭を持っている場合、
- 子どもの将来
- 家族と一緒にいたい
- 家のローン
- 妻のパート
- 夫(自分)の単身赴任中の生活
という感じで表すと、子どもの学校を変えるのは今は避けたいので、家族はついていけない結論になります。そして、家族一緒にいたいというのが2番目だとすると、転勤のない会社に転職しようかという考えも出てきます。
しかし家のローンがあり、しばらくの間でも、妻のパート+失業保険で生活するのは心許ない。転職もすぐに決まるとは限らず夫が会社を辞めるのは不安だね、ということになれば結論に近づきます。
今回は単身赴任してみようか、そして、まずは1年単身赴任生活をお互いに頑張ってみて、上手くいかないようなら、また考えてみようとなるかもしれません。
また、子どもの学校が一番ではあるけれど、2番目の家族一緒で暮らしたいという気持ちが強ければ、やはり転職しようと決断するかもしれません。
そして、その決断をした場合のメリットデメリットを考えます。テスト中に自分の出した答えの確かめをするような感じです。
例えば、あなたが赴任先が海外で住む自信がないという理由で、退職することに決めた場合。
【退職したメリット】
- 次は通勤圏以外の転勤がない会社を選べる
- 海外赴任というストレスを感じなくて済む
- 恋人と遠距離にならずにすむ
- 地元の友達と離れずにすむ
【退職したデメリット】
- 今の仕事は好きだったので単身赴任でなければ辞めたくない
- 次の仕事が今の仕事と同じようなものになる保証がない
- 失業保険の期間中に転職できるかわからない
- 自分に期待していた上司を裏切ることになる
- 彼女の評価が下がるかもしれない
退職すると、最大のストレスである海外赴任は無くなるけれど、今の仕事が好きなあなたは、辞めるのは勿体ないと改めて感じるかもしれません。彼女も実はあなたの海外赴任を応援しているとします。
すると、すぐ退職するという決断から、単身赴任になる前に、出来る限り転職活動をしてみて、自分の希望にあったところが見つかりそうと判断したら退職、そう簡単ではないと思ったら、自信はないけれど思い切って一度海外赴任に挑戦してみようかなと答えを変更するかもしれません。
反対にここまでデメリットを見ても、やっぱりどうしても遠いところは無理だと判断して、退職という決断を変えないこともあるでしょう。
このように、単身赴任という理由だけで辞めたいと思っていたとしても、背後には人それぞれの価値観や許容できない苦手分野というのがあります。
それなので、単に何となく嫌だという段階から一歩踏み込んで、あなたが生きて行く上で、何を優先したいのかを考え、それを現実と天秤にかけてみましょう。
単身赴任はできないという結論なら転職するしかない
多くの人は、転勤があると分かって入社するので、多少嫌だなと思っても従います。家族も、転勤を考えて生活している場合が多いので、ある程度は自分たちの身の振りようは考えています。
けれど反面、度重なる転勤や、新しい環境へのストレスが強かったり、母親一人だけの子育てが予想以上に大変で、自分も家族も疲れ果ててしまうことも多いです。それで、転職する人も多いのです。
異動辞令はそんなに何か月も前に出されるというのは少ないでしょうが、例えば1か月前に出されたとしても、どうしても嫌な単身赴任である場合は、在職中に転職活動を試みてもいいのではないでしょうか?
もう、絶対無理と言うなら転職するしか道はありません。
現在は様々な転職サイトがあり、以前より転職の敷居も低くなっています。なので、たくさん考えてみたけれどやっぱり嫌だ!と思った単身赴任を無抵抗に受け入れるより、あなたのできる限りのことをしてみた方が後悔しないのではないでしょうか?
その手ごたえをみて、退職するか、一度会社の辞令を受け入れてみるか考えてみてもいいかもしれません。
もし縁があれば、その1か月で自分の希望の会社に転職できるかもしれません。
しかし注意しなければならないのは、いくら期間が短いからといって、あまり気乗りのしない、自分の希望の条件とはかけ離れているような会社に慌てて入社しないようにすることです。
まとめ
単身赴任が嫌だからと言って転職していては、いつまでも落ち着かないという意見もありますよね。でも、終身雇用制度が崩れてきている今、会社に尽くしたから報われるかといえば必ずしもそうとは言い切れません。
大切なのは、あなたが単身赴任になっても、この会社や仕事を気に入っているかどうかです。
でも、会社を辞めたらお金の心配が出てきますよね。退職してもしばらくは生活が成り立つ以外は、転職の目途が立つまで今の会社にいることも仕方ないことかもしれません。
とすると、単身赴任しなければなりませんが、これが最後の転勤!と思って辞令を受け入れ、単身赴任しながら転職活動をすることも出来ます。面接は高い運賃を使って出向く必要はありますが、それ以外は、転職サイトなどのネットや郵送で手軽に済みますよ。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。
診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。
辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。
(診断時間は約5分です)