「学校や子供が大好きで、学校事務職員として教育現場を支えたい」。そういう志で学校事務職員を目指した方は多いのではないでしょうか。昨今教員の多忙化が叫ばれ、教育現場が疲弊していることは周知の事実です。

私自身も「行政職員である学校事務職員の立場からその現場を支えたい、子供たちの笑顔を見ながら仕事をしたい」と思い、学校事務職員という職に就きました。

私は民間企業で塾講師を2年間勤めていましたが、公立小学校の事務職員に転職し、2年間続けました。その後、現在は退職し同じ公務員の県庁行政職員を目指して勉強しています。

公立小中学校の事務職員は基本的に各学校一人配置で、同じ職場に自分の仕事を理解している人は誰もいません。もしかすると、あなたもかつての私のように一人職ゆえの悩みを抱えていませんか?

この記事では、一人職の悩みや今後あなたがどうするべきなのかをお伝えしますので、少しでも参考になれば幸いです。

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学校事務職員を辞めたくなった理由

仕事を教えてくれる人がいない

公立小中学校の事務職員は基本的に各学校一人です。私も単数校に配属されたので、着任したその日からすべて一人で仕事をしていかなくてはなりませんでした。

しかも、前任者の引継ぎが適当で書類を読んでも全く分かりません。4月当初が学校事務職員として1年で一番忙しい時期なのに、前任者や周辺校の学校事務職員からのフォローは全くありませんでした。

しかし、そんな右も左もわからない状況でも周囲の教員はお構いなしで「消耗品がない」、「家族を扶養に入れたい、外したい」・・と仕事が押し寄せてくるばかりでどんどん溜まっていき、連日深夜残業せざるを得ません。

4月が忙しいのはどの仕事も変わらないと思うので、それはまだよいのですが全く仕事を消化する道筋が立たないまま、職員室に一人取り残され、どんどん時間だけが過ぎていくのが本当に精神的にきつかったです。

周りの学校事務職員の同期は、前任者や複数校配置の先輩事務職員に丁寧に教えてもらっているのがとても羨ましかったです。

教員からは雑用係扱い

着任当初の4月の段階でうすうす気づいていましたが、教員は学校事務職員のことを雑用係としか思っていませんでした。

本来の学校事務職員の仕事と格闘しているにもかかわらず、教員の仕事であるはずの部活動指導や下校班の見守り、職員室の清掃指導を押し付けられたため、昼間は全く仕事になりません。

管理職と話していても「事務職員は電話対応と来客にお茶を出していればよい」というあまりに古い考え方で驚きました。教員と同様に学校事務職員も年々いろいろな調査、統計で仕事が増えているのを全く知らないようでした。

挙句の果てに全校生徒の前で「事務の先生は職員室のお留守番をする人です」と紹介されたのにはあきれて言葉が出ませんでした。

そんな扱いを受けるうちに当初抱いていた「多忙な教員を少しでも支えたい」という思いは薄れていきました。

給料が安い・残業代が出ない

公務員なので高額な給与は望んでいませんでしたが、ほかの県庁行政職員よりも給与が安いですよね。

管理職からの評価が低ければ定期昇給も抑えられてしまいます。また、そもそも小中学校の事務職員には管理職のポストがないので定年まで勤めてもほかの行政職員よりも確実に低い給与しかもらえません。

それはまだ入庁する前から分かっていたのですが、一番驚いたのはこのご時世に残業代がほとんど支給されないということでした。

年間の残業代の予算が決まっているのですが、当時の給与で20時間分ほどしかなかったので当然4月で使い切ってしまい、後の11ヵ月はすべてサービス残業でした。ただでさえ初任でわからないことだらけなのに、部活動が終わるまでの間、勤務時間が過ぎても職員室で留守番をしなければならないので定時に帰れるわけがありません。

また、私が勤務していた学校の校長は事務職員の残業に否定的な考えだったので、4月の残業代の支給すら渋る始末。本当に自分一人がギリギリ生きていけるだけのお金しかもらえませんでした。

周りのベテラン学校事務職員からの圧力

周りのベテランの学校事務職員がとても冷たい人ばかりで、一切仕事を教えてくれないばかりか私の書類をチェックして細かいミスをあげつらって厳しく指摘されました。

もちろん、正確に仕事をできなかった私の責任も多分にあるのですが、文字の間違えや□にチェックが入っていないことを長々と説教した挙句に、人格否定に近いことまで言われました。

ここまで言われる筋合いはないと思ったのですが、周りは定年間近のベテラン事務職員ばかりで反論することも許されない雰囲気だったので黙って従うしかありませんでした。

将来への不安

現在の公立小中学校事務職員制度は過渡期にあります。様々な将来が予測されていますが、その中に「民間の人材派遣会社へ委託する構想」があります。これは学校事務機能を、民間の人材派遣会社に委託するというものです。

絶対的に安定した公務員の身分を奪われ、人材派遣会社の一社員として働くことになるということです。ただでさえ低い給料の学校事務職員が、公務員でなくなったら様々な福利厚生を失うばかりかリストラで職を失うことにもなりかねないのです。

将来安定といわれる公務員なのに、こうした将来の心配をしなくてはならないのはとてもストレスに感じました。

私が学校事務職員を退職した1番の理由は孤独であること

私が学校事務職員を退職した理由は、やはり周りに同業者がいないことですね。

仕事がわからなくても、自分の仕事を理解している人が同じ職場にいないので誰も教えてくれません。教員も管理職も自分の仕事にいっぱいいっぱいで学校事務職員のことを気にかける余裕はありません。(そもそも気にかけるつもりもないようでしたが)

また、県教育委員会や市教育委員会も一介の学校事務職員のフォローなどしてくれません。学校事務職員の同期とも頻繁に会えるわけではないので、周りの学校事務職員も助けてくれないとなると、本当に孤独です。

仕事の悩みを相談できる人もいないのですべてを一人で抱え込むことになり、精神的に追い詰められていきました。なんとか2年間勤めましたが、この環境が定年まで続くことを考えると耐えられなくなってしまい、退職しました。

そして現在はアルバイトをしながら、周りに同業者がいる県庁の行政職員を目指して勉強をしています。

学校事務を辞めるべき人・辞めないほうがいい人

しかし、そもそもあなたはどのような思いで学校事務職員を志望しましたか?学校事務職員といえど地域によっては高い倍率を突破して合格したことを思い出してください。

本当に退職して後悔はないでしょうか?私のように退職を決めてしまう前に少し考えていただきたいことがあります。

辞めるべきではない人

  • 勤続1年未満の人
  • 子供が大好きな人
  • 現在の勤務校に不満があるが、仕事自体は好きな人
  • 一人で仕事をすることに向いている人
  • 次にやりたい仕事が明確に決まっていない人

上記に当てはまる人はもう少し続けてみることを勧めます。特に、勤続1年未満の方は最低でも1年間は続けてみましょう。

学校事務職員という仕事は基本的に毎年同じ仕事の繰り返しですので、まずは1年続けてみてから辞めるかどうか、を判断したほうが良いですよ。

また、1年未満の職歴だと「継続性がない人だ」と思われてしまいますので、どの職業に転職するにしても確実に不利になってしまいます。

また、子供が大好きな方も冷静に判断したほうが良いです。子供の顔を見ながら働ける仕事がどれだけあるでしょうか。あなたがこの仕事に就く際も、それを魅力に感じていたはずです。

別の仕事に就いた後に、「やっぱり子供の顔を見ながら働ける環境が良かった」と後悔するのは非常にもったいないことですよ。

現在の勤務校に不満がありつつ、仕事自体は好きな方も続けたほうが良いでしょう。今の管理職や教員、周りの学校事務職員と性格が合わなかったとしても、数年後に必ず異動を経験するはずです。その異動先で働いてみてからでも決して遅くはありません。

良い人に巡り合い、仕事がとても楽しくなる可能性も大いにありますよ。

一人で黙々と仕事をすることが好きな人も続けてみたほうが良いと思います。一人だけで仕事をするというのは、本当に向き不向きがはっきり分かれるのですが、向いている人にとってはとても貴重な職場環境なのです。

民間企業や他の公務員組織を見てください。市役所や県庁などもほとんどは複数人で形成された部署で働いています。実は一人だけで仕事をしたいと思う人は多いのですが、それが叶う職場はとても限られているのです。

自分のペースで仕事ができるというのが学校事務職員の魅力であることをもう一度思い出してください。

次にやりたい仕事が明確に決まっていない人も、まずは次の仕事を明確にイメージしてから退職したほうが良いです。なんとなくでやめてしまうと転職活動にも身が入りませんし、退職を後悔する可能性も高くなってしまうでしょう。

辞めてもいい人

  • 仕事自体に不満を持っている人
  • 次にやりたい仕事が明確に決まっている人
  • お金をたくさん稼ぎたい人
  • 仲間と協力しながらチームで働きたい人

逆に、上記に該当する方は私と同じように退職を決意されたほうが良いです。

例えば旅費や手当の計算などの学校事務職員としての基本的な仕事をやりたくない、向いていないという方は、残念ながらミスマッチということになりますので今後状況が好転する可能性は低いです。

また、「本来別の仕事があったがあきらめて学校事務職員の仕事に就いた。しかし、どうしても第一希望の仕事があきらめられない」といった、学校事務職員への未練なく、次にやりたい仕事が明確に定まっている人も次のステップへ踏み出してよいと思います。

また、お金をたくさん稼ぎたい人もこの仕事を続けるのは難しいでしょう。どんなに仕事を頑張っても年功序列での昇給で、昇給額は毎年微々たる額ですし、そもそも昇給上限もほかの行政職よりも低く抑えられています。

事前にわかっていることとはいえ、仕事を始めてから事情が変わった人もいるでしょう。こればかりはどうしようもありませんので、高給を稼げる仕事へ転職して、がつがつ働くしかありません。

そして、何より私のように一人で孤独に働くことが不安で寂しく感じてしまう方は特にこの仕事に向いていないでしょう。学校事務職員組織が今後どのように変わるかはわかりませんが少なくとも当分各校一人配置は変わりません。

むしろ、財政難から定数を削減されて複数配置校が単数配置校に変わってしまうこともあるでしょう。

そういった方は、ほかの多くの職場のように自分の仕事を理解している上司や先輩に囲まれて、チームで仕事ができる仕事に転職することを勧めます。

学校事務からのおすすめ転職先

大学職員

転職先で一番のおすすめは大学職員です。部署によっては、小中学校の事務職と仕事内容はあまり変わらないこともあるので勤務経験を活かすことができますし、国立大学法人はもともと公務員でしたので良くも悪くも公務員の文化が残っています。

子供ではありませんが、学生と直接接する部署ももちろんあります。また、大手私立大学職員なら公立小中学校の事務職員と比べて倍以上の給料が見込めます。

国立大学職員であっても、法人化されてからは残業代が支給されるようになったので、同じ労働時間であっても年収は上がるはずです。

なにより、上司や同僚が自分と同じ事務職員なのでわからないことを質問できますし、悩みを相談することもできます。

教員

子供が好きで多くの給料を稼ぎたいと考えている人は教員になるという選択肢もあります。実際に学校事務職員から教員になった方もいますよ。学校事務職員より子供と深くかかわることができますし、毎月の給料やボーナスも1割~2割ほど増えるはずです。

また、当然周りは自分と同じ教員がたくさんいるので一人で仕事や悩みを抱え込むこともなくなるでしょう。チームで働くことができれば疎外感や孤独を感じることなく、充実感をもって仕事をすることができるのではないでしょうか。

学校事務職員の立場から教員を見ていると、私はそう感じました。

市役所、県庁行政職員

市役所や県庁の行政職員になるのもよいでしょう。基本的には学校事務職員と同じ公務員行政職ですので学校事務職員としての経験が少なからず役立ちますし、転職活動でもしっかり納得される理由を言うことができれば学校事務職員の経験は不利にはなりません。

また、残業代も学校事務職員よりは支払われますし、仕事ぶりが認められれば課長以上の管理職ポストに就くこともできるので仕事のやりがいも学校事務職員とは大きく異なるはずです。

上二つと同様に、周りは自分と同じ事務職員なので協力しながら仕事をすることもでき孤独感や疎外感を感じることはないと思いますよ。

学校事務を退職したいあなたに最後に伝えたいこと

孤立しないように、周りの学校事務職員と連携を

まず、あなたが私と同じように職場で孤立感や疎外感を感じているのであれば周辺校の学校事務職員と連携しましょう。私の場合は難しかったですが、やさしく助けてくれる学校事務職員もいるはずです。

幸い、昨今日本全国の学校事務組織で共同実施がさかんに行われるようになってきているので、以前よりは周りの学校事務職員と顔を合わせる機会は多くなっています。

積極的に自分からコミュニケーションをとり、わからない部分を遠慮なく質問しましょう。誰でも始めはわからないことばかりで、誰もが助けてもらいながら成長してきたのです。

若手のSOSは決して恥ずかしいことではありませんので、まずは自分から助けを求めてみましょう。

次の仕事を明確にイメージする

学校事務職員に限らず、仕事を辞めるときは次の仕事を明確にイメージし、できれば転職先が決まってからの退職を勧めます。現時点では安定した身分の公務員ですし、なんとなくでやめてしまうのは非常にもったいない話です。

転職活動でも退職理由や転職先への志望動機を述べるのが難しくなってしまいます。

まず、「なぜ自分が学校事務職員を辞めたいのか?」、「同じことを繰り返さないために、次はどのような仕事につけばよいのか?」を自分の中でしっかりと整理しましょう。

それが固まってからの退職でも決して遅くはありませんよ。

退職する場合はしっかりと引継ぎを

退職することを決意したときは、必ずしっかりとした引継ぎを行いましょう。小中学校の職場で学校事務職員の仕事がわかる人は誰もいません。あなたが引継ぎをしっかりしないとあなたの後任に多大な迷惑が掛かり、学校現場が混乱に陥ります。

特に3月、4月は職員の家族の扶養関係が大きく動く時期で、ここで間違いが起こると後々多額の給与戻入額が生じる可能性があるので、重点的に引継ぎしましょう。社会人としての最低限のマナーですよ。

まとめ

私は学校事務職員を辞めて後悔はしていませんし、現在は県庁行政職員になるために必死に勉強を続けています。しかし、今でも時折子供の声に囲まれながら仕事をしていた時のことを思い出します。

子供が嫌いな人はそもそも学校事務職員という仕事につかないでしょう。そうした子供に囲まれながら仕事ができる環境は多くはないということは今一度再認識されたうえで退職されるかどうか、を決めましょう。

まずは冷静になって自分自身を見つめなおしたうえで、それでも退職を決めたのであればそれは正しい選択だと思います。しっかりと引継ぎをしたうえで、次の仕事へステップを踏んでいきましょう。

あなたが学校事務職員の仕事を退職するにしても、続けるにしても後悔のない人生を歩めるよう、ささやかながら祈っています。

まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?

もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。

(以下のように診断結果が出ます)

診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。

辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。

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