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連休明け。新受けが山のように入っている。早一番に被害者からのクレーム電話につかまり、30分怒鳴られる。契約者に初動の電話をしたら遅いと文句を言われる。

その後もずっと電話に追われ、あっという間に17時。支払いをしたいのに、もうヨレヨレ。

損害サービスの仕事には、やった人しかわからない特有のつらさってありますよね。「もうこんな仕事イヤ!」そう思ったこと、ありませんか?

新卒で損害保険会社に入社し、損害サービスの部署に配属されてすぐに、自分にはこの仕事は合わないと思いました。それでも結婚までは何とか続けて退職。その後別の業種で働いていましたが、また昔の会社に戻りました。

この記事では、なぜ私が損害サービスの仕事を辞めたのか、そしてまた戻ったのかをお伝えさせていただきます。

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損害サービスを辞めたくなった理由

罵声を浴びるのがつらい

損害保険会社の損害サービス部門で働いている人が一番つらいことは、契約者や相手方から罵声を浴びることでしょう。

何十分もずっと大声で怒鳴り続ける人、怒鳴りはしないけれど、ネチネチ細かく重箱の隅をつつくように揚げ足を取る人、同じ話を何回も何回も繰り返す人……。

事故のせいで気が動転してしまうことはあると思いますし、買ったばかりの車をぶつけられたら、誰でも怒るのは当然です。保険で支払ってもらえると思っていたのに支払えないと言われたら、納得できないと思うのもわかります。でも、毎日そんな話ばかりだと本当に気分が滅入りますよね。

たまたま電話を取ったら別の担当者への苦情。あいにくその担当者が不在だったせいで代わりに謝ったり、調べたり、自分の案件に手を付けられないまま時間がすぎていく。何て運が悪いんだろう。

自分がミスをしたせいでクレームが来たり、自分の交渉スキルが未熟なせいで相手を怒らせてしまったり、ということもありました。人の件で怒られるより、自分の件のほうがつらいですし、へこみます。

残業をして被害者と長時間話したけれど交渉は決裂、帰りの電車の乗り換え駅で胃が痛くなり、ホームのベンチからしばらく動けなくなりました。やっぱり自分はこの仕事に向いていないのです。

忙しくて手が回らない

保険会社によって、一人が担当する件数はバラつきがあるでしょうが、とにかく忙しくて大変という人が多いのではないでしょうか。

月曜日のことを考えると日曜の夕方から憂鬱というのは会社員なら誰でもありそうな話ですが、土日の分の新受けも一緒に入ってくる月曜は件数が多くて本当に大変です。

件数が多いと、最小限必要な手配しかできず、交渉が後手になりがちです。今日経過報告をしておけばよかったのに、できなかったばかりに対応が遅いとクレームになり、修理工場からは支払いの催促が入るなど、ますます対応するべきことが増えて悪循環に陥ります。

しかし、件数が多いからといって、誤払いや過払いなど、支払いにミスがあってはいけませんし、有無責に関することを間違えてもいけません。これは保険会社としては当然のことなのですが、とてもプレッシャーを感じます。

毎年冬場は雪や道路凍結のせいで事故が増える傾向にありますが、最近は大地震、台風、集中豪雨など自然災害が多くなり、そのたびに災害対策室が設置されて全国から応援社員が現地に派遣されます。

集中豪雨のあと、被災地の契約者に初動の連絡を入れました。やっと水は引いたけれど、車がルーフまで水没していたなどと聞くと、本当に心から何とかお役に立ちたいと思います。でも「レッカーはいつ来るんだ」とか「レンタカーが早くほしい」と言われて、「もうしばらくお待ちください」とひたすら謝るしかないというのが現実です。

「保険に入っていてよかった」と感謝の言葉をいただくこともありましたが、あまりの忙しさに疲弊しきってしまいました。

社内の人間関係に疲れた

損害サービス部門には、いろいろな人が働いています。

私がいた会社には、全体の管理や統括を行う総合職、主に物損事故を担当する一般職、車の損害確認をするアジャスター、人身事故を担当する年配の嘱託、事務全般や担当者としての役割を担う派遣社員等がいました。

対外的な交渉でみんな大変ですから、課の中で仲間割れしたり、いがみ合ったりしているヒマはありません。しかし、同じ職場で机を並べていても、所属する会社が異なり、給料体系もバラバラで、同じ目標に向かっているように見えてもモチベーションは様々です。

私がいた部署は女性が多く、新卒入社の正社員、中途採用組、派遣社員などがいました。私はどの立場も経験したのでそれぞれの言い分はわかるのですが、正社員の何気ない言動に中途採用組が差別されたと感じるなど、立場の違いでの軋轢がありました。

また、メンタル不調で長期休暇を取っていた社員が復帰したとき、とても冷ややかな人が多く、一緒に働いてきた仲間なのに、と寂しく感じました。

ロールモデルが少なかった

社会人になったとき、結婚や出産をしても仕事を続けようと思っていました。損害サービスの仕事特有のつらさに仕事を辞めたいと思ったことは何度もありましたが、それでも何とか結婚までは続けました。

ただ、その頃は子どもがいる女性社員はとても少なく、育児休業の取得者もいませんでした。時短勤務はまだ制度すらありませんでした。

そのうえ、子どもがいる女性社員はみな昇格が遅く、冷遇されていたのです。それなら、もっと子育てと両立しやすい仕事に転職しようと考えました。

ただ、その頃とだいぶ状況は変わり、今では産休や育休を取るのはごく当たり前のこととなり、時短を取っている社員も多くなりました。今だったら、辞めずに続けようと思ったかもしれません。

損害サービスを辞めるべき人・辞めないほうがいい人

辞めるべきではない人

  • 物事を理論的に考え、説明できる人
  • 傾聴することができる人
  • いい意味で割り切れる人
  • 査定のセンスがある人
  • 入社3年経っていない人

保険会社は保険の約款に基づいて有無責を判断し、支払いできる保険金を算出します。保険会社の社員は当事者双方の主張を十分に聞き、現場の状況や車の損傷状態などを確認したうえで、責任割合などを判断します。

どちらかの意見に流されたり憶測で判断したりするのではなく、事実に照らしあわせて筋道を立てて論理的に結論を導き出せる人、そしてそれをきちんと説明できる人でなくてはいけません。

傾聴というのは、ただ黙って相手の話を聞くということではありません。

相手の話に耳を傾け、そこから相手が一番気にかけていることは何か、相手が一番望んでいることは何か、それを考えることです。相手の話をよく聴き、質問をはさんで、相手の答えを聴く。そうやって対話を進めるうちに、解決への道筋が見えてくることがあります。

相手が自分の思いをすべて吐き出したことで、気持ちに踏ん切りがついて、思いがけずこちらの提案に同意してくれることもあるのです。

示談交渉は相手を言い負かすことでも、説き伏せることでもありません。相手の話をじっくりと聞き、相手の気持ちを推し量り、解決へのシナリオを描くことができる人は、この仕事に向いています。

あるとき、同僚がクレームの電話につかまっていました。被害者はかなり一方的にまくし立てているようで、同僚はひたすら「はい」と「申し訳ございませんでした」を繰り返しています。話は20分近く続いたでしょうか。

やっと電話が切れたので「大丈夫だった?」と声をかけたところ、彼女はケロっとした顔で「むっちゃ怒ってました」。

事故現場での契約者の対応についての不満だったようで「契約者に直接言えないから保険会社にかけたみたいです」。最後にはだいぶ気持ちが落ち着いたようだったとのこと。

相手の話をきちんと聞いて、その真意をつかんでも、相手の怒りはうまく受け流すことができる人、怒鳴られても一晩寝ればほぼ忘れられる人はこの仕事に向いています。

後輩がある追突事故を担当しました。契約者、被害者、双方に連絡をとり、被害者にケガがあったので、人身担当者とも連携して解決しました。

その数ヶ月後、同じ契約者がまた追突事故を起こし、また後輩が担当することになりました。被害者に初動の連絡をしたところ、通院先と修理工場が前の事故とまったく同じだったのです。

被害者は前の事故とは別人ですし、被害者二人の住所はかなり離れていました。それなのに、なぜ通院先も修理工場も同じ? 彼女の小さな違和感は保険金詐欺事件の摘発につながりました。

もし、彼女が通院先も修理工場も前の事故と同じだと気が付かなかったら、そこに違和感を持たなかったら、それを上司に相談するなど具体的な行動にでなかったら……犯行を見逃してしまったかもしれません。

担当者として最初に事故報告の内容を確認し、関係者にコンタクトを取るのはあなたのような物損担当の女性がほとんどでしょう。

「何か怪しい」「この件はリサーチを入れたほうがいい」と感じられるセンスを持っている人、それを追求する正義感や探求心を持っている人は、ぜひ仕事を続けてほしいです。

メンタルが不調でこの仕事には戻れない、というなら仕方がないですが、そうでなければ何とか3年は続けてみませんか。保険会社は大企業が多く、他業種と比べて待遇も決して悪くはありません。それなのに続けられなかったとすると、転職活動にも支障が出るのではないでしょうか。

経験が浅いと、どうしても示談交渉をうまく進められなかったり、契約者が納得できるような説明ができなかったり、うまくいかないことが多くて落ち込むことがあるでしょう。でも、難航した事案の一件一件や、苦労したことや失敗したことすべてがあなたの経験となって、だんだん積み重なっていくのです。

はじめは必要なことを説明するだけに精一杯で、相手の気持ちまで考えることができませんが、経験を積むと、相手との対話の中で、どのように話せば相手の心に届くのか、わかるようになってきます。

そういう手ごたえを感じられるようになるまでは、続けてほしいと思います。

辞めてもいい人

  • メンタルが不調でこの仕事には戻れない人
  • 物事を客観的見ることができない人
  • 他にやりたいことがある人

私がいた職場で、被害者からかなり強い口調で30分も怒鳴り続けられて、電話を切ったあとで過呼吸の発作を起こした人がいました。その人以外にも、うつ病で休職した同僚がたくさんいます。

幸い、健康になって復職できた人もいますが、休職期間が過ぎても体調が整わず、退職を余儀なくされた人が大半です。 精神のバランスは一度崩してしまうと大変です。一番大切なのはあなたの健康ですから、心の健康を損なってまでこの仕事をすることはないと思います。

契約者や修理工場から何か苦情めいたことを言われると、いつも苦しそうにつぶやいている後輩がいました。

「みんな、何で私を責めるの?」「私は何も間違っていない。ちゃんと説明したのに」

確かに後輩は、正しい説明をしていました。でも、電話の相手は後輩を攻撃しようとしたわけではないのです。契約者は事故を起こしてしまった苛立ちとこの先どうなるのかわからない不安を誰かにぶつけたいだけなのです。

「大変だったね、大丈夫?」と声をかけても、「私、ちゃんと説明したんです。やるべきことはやったんです」

こちらがきちんと対応していても、相手がどう捉えるかは相手次第。相手の怒りの根源が何かを冷静に考えて対応できない人は、この仕事に向いていないと思います。

転職して他のどんな仕事に就いたとしても、つらいこと、うまくいかないことは山ほどあると思います。ただ、他にどうしてもやりたい仕事がある、やりたい勉強があるなど、挑戦したいことが明確にあるのなら、辞める選択もアリです。

あなたに、やりたい仕事に必要なスキルはありますか?その仕事に転職できる目途はついていますか?

私も辞めたいと思うことが何度も何度もありました。その頃は景気が良くて、派遣社員だったらいくらでも仕事がありそうでした。それでも踏みとどまったのは、「どうしてもこれにチャレンジしたい」と思えるものがなかったからです。派遣社員でとりあえず食いつなぐことができたとしても、その先の展望がなかったからです。

あなたがもし、どうしてもやりたいことがあるのなら、チャレンジしてみてください。もし、うまくいかなくても、なにもせずに後悔するより、やって後悔するほうがよいと思います。

本気で損害サービスからの転職を考えているあなたへのアドバイス

できれば3年はがんばろう

一般的に保険会社は給料が良く、休みはきちんと取得でき、福利厚生が充実していると見られています。もちろん、外から見るのと、中に入って見るのでは、まったく違うこともあるのですが、少なくとも賃金の不払いとか、明日にも倒産ということはないと思います。

それなのに、なぜ辞めたのか? 転職する場合、これは必ず聞かれると思います。面接官を納得させられるような説明ができないと、転職活動は難航するでしょう。

やってもやっても仕事が減らない、厳しい言葉ばかり浴びせられてへこんでいるというあなた。今週は何とか乗り切ろう、次のボーナスをもらうまでは何とか持ちこたえよう、というふうに目標を短く区切ってみましょう。大変さの波が収まるときが必ず来ます。

今はつらくても、どうか衝動的に辞めることはしないでください。あなたがまだ入社3年未満なら、3年は続けてほしいです。

同業他社への転職

もし、損害サービスの仕事にやりがいを感じているけれど、、職場の人間関係や、繁忙度のせいで今の会社は辞めたいという場合、同業他社へ転職するという手があります。

私がいた職場にも、同業他社から転職してきた人が何人かいました。一人は新卒で損保に入社、退職して語学留学し、その後結婚。しかし離婚してシングルマザーになり、損害サービス経験者だったので、採用されたとか。

また別の人は小さいお子さんがいましたが、残業が非常に多く、家事育児と仕事の両立が困難だったので、転職したそうです。どの保険会社でも、損害サービスの流れはほぼ同じ。二人とも貴重な戦力として入社直後から活躍しています。

社員として中途採用される場合もありますが、派遣社員や契約社員として採用されることのほうが多いため、待遇は社員より悪いということはあります。

でも、小さな子どもがいると就活で苦戦を強いられることがありますが、この仕事なら即戦力として採用される可能性が高いでしょう。

損害サービスで培った能力をアピールしよう

転職するつもりなら、何ができるか、何をやりたいか、じっくり考えてみてください。今は転職サイトがたくさんありますし、求人情報もネットで検索できます。

以前、派遣会社に登録したことがありますが、職務経歴書をまとめたり、担当者と面接をしたり、自分を客観的に見直すことによって、会社員としての自分の強み、弱みがわかりました。

損害サービスの仕事で培った交渉力、コミュニケーションスキル、大量の仕事を次々こなす能力、物事を理論的に考えて説明する能力は、あなたの強みです。他業種に行ってもアピールできますよ。

まとめ

私は損害サービスの仕事を9年続け、結婚後に退職しましたが、別の業種で働いた後、また損保に戻りました。結局、やりがいを感じることができ、自分の強みを活かせる仕事は損害サービスだったのです。

新卒のときは、こちらの見解を伝えるだけで精一杯でしたが、人生経験を積んだことによって、相手の気持ちを推し量りながら交渉することができるようになりました。

生涯年収のことを考えれば、辞めずに続けていたほうがよかったでしょう。でも他業種では様々な出会いがあり、別の世界を見ることができたので後悔はしていません。

損害サービスでの経験は必ずあなたの武器になります。後先考えずに辞めることは思いとどまってほしいですが、やりたいことができたなら、ぜひチャレンジしてみてください。私の経験が少しでも参考になれば幸いです。

まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?

もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。

(以下のように診断結果が出ます)

診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。

辞めた後どうなる?を知ることで、何か今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。

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この記事の監修者

株式会社eia

 

この記事の企画・監修者は株式会社eiaです。クラウドソーシングサービスより実際の体験談の執筆依頼・インタビュー調査した内容をまとめた記事になります。

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