現在は化学メーカー勤務の元プロピアニストです。

ピアニストになるまではピアノが大好きでした。周りの音楽家達もそれぞれの楽器を愛しておりました。・・・しかし辞めていく人間が非常に多い業界です。

理由は「割に合わない」「音楽が嫌いになった」「仕事が無い」等々・・・。

そんな私も「割に合わない」ことと「コミュニケーションがしんどい」ことが相まってピアニストを辞め転職活動をし、現在は化学メーカーにて製品開発を行っております。

音楽は大好きだったがプロの世界は違った・・・そう思って辞めてった一人の人間として、辞めた理由の詳細、辞めたメリット・デメリット、転職して本当に良かったと思えることなど全てお話します。

辛さ、限界を感じている音楽業界人の方へ、少しでも参考になる内容があれば幸いです。

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プロピアニストを辞めたくなった理由

割に合わない

私は以下の仕事を週7で行っていました。

  • バーでの生演奏
  • 結婚式場での演奏
  • 地域イベントでの演奏
  • ピアノレッスン講師

音楽業界のプロ全員に言えることですが、「本番時間は短い」のに対し、「本番までの練習は決まりが無い」ため、たった10分の本番のために数日以上を費やします。なのに報酬は2万円程度…。

私は月々35万程度が平均収入でしたが、練習時間を含め時給換算してみると…フリーターと変わらない金額となり、「これだけ時間をかけてもこの報酬か」と割に合わないと感じることが非常に多かったです。

好きな音楽が出来ない

これも殆どの業界人が口にする言葉ですが、自分の好きな音楽が出来ることなんてほぼ無かったです。

「今流行りの」「若者向け」「雰囲気に合わせて適当に」など、全く興味の無い曲を毎日毎日何時間も聴き込み、楽譜が無ければ耳コピをして、ようやく覚えて3分間程度演奏したらまた新たな「興味の無い曲」を身体に叩き込む毎日でした。

音楽というのは「好きな音楽を自分が好きなように演奏する」から楽しいのだと言えます。

「興味が無い曲を何十時間も聴き続けて、周りの業界人と何回も打ち合わせをして、本番を終えて解散」を繰り返すのが、私の望む音楽業界ではありませんでした。

プロになるとどの業界でも同じことが言えますが「趣味を仕事にしたら嫌いになった」の典型例です。

営業が大変

殆どのプロが経験していることと思われますが、様々な会場に自ら営業をかけていくのが私には苦痛でした。

既にその施設で契約しているプロがいるのに、電話をしてアポをとって、何日間も打ち合わせをして「やっぱりいいです」の繰り返し。

飛び込み営業で商品を売るのと同じですから、こういう時にいつも「サラリーマンは仕事があっても無くて暇でもお給料が発生するからいいなぁ」と思っていました。

特にコネやネームバリューがものを言う世界ですから、いくら実力があってもそもそも披露する場が無いことにも疑問を感じ、この「営業しないと仕事が無い」現状に苦しめられました。

コミュニケーション力が求められる

プロになる前は演奏できればそれでいいと思っていました。

実際は色んな人との打ち合わせや顧客の要望やクレームの対応などもしないといけませんし、とにかく「音楽をする時間よりも人と関わる時間」が長すぎる上に、かなりのコミュニケーション力が求められることに嫌気がさしました。

その打ち合わせの時間は当然報酬があるわけではないのですが、話している「相手の社会人の人」は今報酬が発生しているんだと思うとやるせない気持ちになったのもよく覚えています。

「音楽で食べるために」入った音楽業界ですが、音楽が出来るのは当たり前であって、それ以上に人との出会いと付き合いを多く求められる業界に嫌気がさしました。

案外体力仕事

どの楽器でも「身体の一部を酷使する」のは共通です。

私の場合はピアノでしたでの指ですが、1日14時間の練習と演奏×約360日程度でしたので、疲労骨折が頻繁にありました。しかし「骨折したから休みます」なんてわけにもいかず、結婚式場等の日は死に物狂いで指に割り箸をつけて演奏した時もあります。

当然労災なんてありませんしメンテナンスする暇すらありませんでした。休めば簡単に代理に仕事を取られる業界です。

そもそも演奏にはかなりの集中力を要しますし、練習量も考えれば本当に体力勝負です。楽しくない上に体力も必要となれば、「楽しい音楽をしてもう少し楽をして生きたい」という気持ちは当然日に日に強くなっていきました。

業界を辞めて気楽に8時間働きながら週末は趣味で音楽を続ける人達が大変羨ましかったです。

私は不安定さに限界を感じ辞めました

忙しすぎる毎日もあれば、辛くて辛くて少し休むだけで一瞬で案件が5~6個なくなるようなこの業界に不安定さを覚えて最終的に辞めることを決意しました。

楽団を含め、若い人が多いのには理由があり「大量勝負」「過度な営業力と行動力」「割に合わない仕事量」、これらの要因から高齢層はどんどん退いています。

私も将来この仕事を続けているビジョンは全く見えず、家庭が出来ても確実に構える暇すらないので、ずるずるとこの不安と辛さに耐え続けるくらいなら転職がきく今のうちに辞めようと決意しました。

また、「敢えて音楽業界一本で生計をたてるメリットがあるのか」という疑問が生まれました。

土日限定で好きな音楽ライブを行って副収入を得ている人も非常に多い業界ですので、敢えて週7日全てを犠牲にしてまでこの道一本でいく理由が全く無いと確信した時に全ての契約を切りました。

音楽業界を辞めるべき人・辞めないほうがいい人

私のように辛くて耐えられない、そう感じている人は確実に音楽業界を辞めるべきです。今の時代、選り好みしなければ仕事はたくさんあります。

辛くて逃げ出したいのに敢えて続けるべき明確な理由が無いのなら、是非音楽は趣味として、お金稼ぎは別の選択肢をとりましょう。多くの元プロ達がそうしているのも「辛くて限界がきた」からです。

ただし、辞める前に今一度、今の環境以外で自分が活躍できる音楽場は無いか考えてみることは必要です。せっかくのスキルを、楽しみながら活かせる可能性に気が付かないまま切り捨てるのは避けたほうがいいです。

辞めるべきではない人

  • 辛いけど仕事内容は楽しめる人
  • 営業が必要ない人
  • プロ歴1年未満の人
  • どんな音楽でも楽しめる人

上記に該当する方は、今一度「辞めて他の仕事に就くことで後悔しないか」よく考えて下さい。

早くに起きて晩まで演奏して毎日しんどいけど、内容自体は好きと思える人は「しんどくて辛い」から辞めてしまっても、「辛いし仕事内容も楽しくない」企業に転職するしか無い可能性もあります。

「楽しそうで体力も全然持ちそう、挑戦したい!」と思えるような仕事を見つけてから今の仕事を辞めるのがオススメです。

営業がそもそも必要なく、定年まで安定した契約と仕事量がある人も、今すぐ辞める決断をするべきでは無いと思います。

バンバン必死に営業をして何とか休まず耐え続けて食い繋ぐプロと比較すると働き方に恵まれているため「本当に辛くて、人間関係などにも不満がある」など明確な辞めたい理由が無い場合は決断を保留してもいいのではないでしょうか。

プロ歴が浅く1年未満の人は「まだ慣れる段階」です。この業界は「3年経ってから」が勝負です。3年経つと、自分の立ち位置や業界の人員配置などに詳しくなり、仕事量の調整やスケジュール管理も円滑に行えるでしょう。
これは主観ではなく業界でよく言われる言葉ですので、続けられる環境があるのなら後1、2年粘ってみてから考えるのでも遅くはありません。

この業界はトレンドの移り変わりが早いですが、どんな音楽を求められても楽しめるのなら、この業界に向いている人といえるでしょう。

辞めていく音楽業界のプロにしろ、売れてきたバンドマンにしろ「音楽が楽しめなくなったらこの業界では厳しい」ですから、「常に音楽が楽しめる」のならこの業界でかなり有利に動けます。

楽しいうちは続けてみるという心持ちでいいのではないでしょうか。

辞めてもいい人

  • とにかく仕事が辛い、楽しくない
  • 好きな音楽が出来ない
  • 人との関わりの多さに嫌気を感じている
  • 営業しないと仕事が無い事への不安
  • 明確な将来ビジョン(現状維持で精一杯)

見ただけでも「辞めたほうがいい」のは明らかです。「楽しいだけが仕事じゃない」のは当たり前かもしれませんが、「楽しくないと出来ない仕事」が音楽業界です。

ただ時間が過ぎるまでデスクワークをすれば報酬が発生する仕事はたくさんあります。アフター5で音楽を楽しんでいる社会人もたくさんいます。

それでも耐え続けて音楽業界に居るメリット、本当にありますか?

明確なビジョンが無いのに「その場しのぎ」で何とか契約を保持して、興味の無い音楽を続ける理由、明確に語ることができるでしょうか?

未練やメリットが無いのなら、自信をもって「辞めていい」と言えます。

私が化学メーカーへと転職した理由

私が化学メーカーへ転職した理由は、業界の将来性と職種の安定性からです。

化学メーカーのようなインフラ基礎となる業界は需要が常にありますし、商品開発といっても「0から新商品の開発」をするわけではなく基盤は整っているので、未経験者でもスキルを得ながら成長できる職種です。

化学と聞くとどうしても身構えてしまいますが、内部では本当に作業が細分化されているため「化学が苦手でもできる」職種もたくさんあります(例:品質管理、製造、システム構築等)。

入社するまでは、白衣をきて殺伐と化学薬品を造っていくのかと不安もありましたが、実際には皆活き活きと互いに連携しあって製品を開発していく環境でした。

将来性のある業界で、かつメーカーのような連携組織であることが大変働きやすいと感じたため、化学メーカーに転職して大正解でした。

それに、人数が多い企業は、内部環境が整っています。内部環境とは具体的に福利厚生や人員配置、昇進やOJT等です。

残業代も1分単位で申請でき、有給申請も自由にできる他、自分がきちんと一人で問題なく仕事できるように教育体制も整っています。

音楽業界からのおすすめ転職先

音楽業界からwebライター

意外かもしれませんが、webライターで活躍されている元音楽家の方、多数いらっしゃいます。

特殊で限られた経験をお持ちですから、雑誌のコラム記事の執筆であったり、音楽理論記事の執筆であったり、専門知識を語る場はたくさんあります。

特にアドリブ技法やセンスなどは「その人の言葉」からしか得られない情報ですから非常に価値があるものです。

音楽関連のブログ運営をしている方はよく執筆の依頼があります。

音楽業界から教師・講師

基本的に音楽関係に従事していた方はレッスン指導やセッションでの教育など、「その人が出来るようになるまで教える」経験を積んでいる方が多いです。

音楽の先生になる場合は経験も優遇されますし、音楽以外の教師・講師でも「指導」の経験は間接的に活かせます。

楽団から教師になられる方も多いです。

音楽業界から一般事務職

音楽以外に専門的スキルは持っていなくても問題なく取り組める一般事務職はオススメです。

私自身も今の職場で事務作業を行うことは多いですが、コツコツ楽譜を整理したり給与を計算したり、種々のデータ入力を行ってきた経験が直接的に活きています。

音楽業界から転職するときのポイント

音楽業界から転職を決意し、現在の会社で働くまでの手順やポイントを時系列で以下に示します。

転職サイトに登録

まず、転職先が決まっていないのに今の業界を辞めるのだけは避けましょう。

忙しくて中々本当に興味がある仕事を見つける暇も無い毎日でしたが、最近の転職サイトは登録するだけでオファーやオススメ企業を配信してくれます。

気になる企業が見つかれば積極的に応募

幸いなことに、音楽業界は珍しがられることが多いので、応募すれば目を通してくれる率が高いです。

ただし、ただでさえ日時変動が激しい音楽業界ですから、「本当に興味がある」企業のみに絞って応募しないと、中々日程調整には苦戦します。

私の場合は月に3件応募するのがやっとでした。

内定を貰ったら、入社まで1か月は確保しておく

めでたく内定を貰ったら、すぐに今の業界から全て契約を破棄・・・なんてことが出来ないのがこの業界です。

結婚式の演奏があるのなら代打を探すかその日だけ参加できるようにするか、長期契約がある場合も代打を見つけてから断りを入れるのが一般的です。

信用が求められる業界ですから、最後も迷惑をかけないように1か月前には業界辞退の旨を述べないと、後継者にも契約先にも大きな迷惑をかけます。

まとめ

音楽が好きだからこそ、趣味とプロの違いに絶望して辞めたくなる人は本当に多いです。

転職後の私はアフター5と週末に好きな曲を演奏しています。これが一番ワークライフバランスのとれた生活であると実感しています。

音楽業界は、本当にスキルとセンスが必要であり、なりたくてもなれない人もたくさんいる厳しい世界です。そんな業界に入れて食べていけることは大変素晴らしいことですが、音楽が好きなら「別にいつでも楽しめる」ことを忘れないでください。

仕事で音楽をやることしか選択肢が見えなくなっていた当時の私は「別にこんなに辛い思いをしなくても、辞めたら自由に音楽を楽しめる」という発想すらありませんでした。

この業界に固執せずとも、音楽を披露する場はたくさんあります。辛くて辛くて辞めたい人にとって、是非本記事が参考になれば幸いです。

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仕事を辞めたいなら、現状から把握してみましょう。今の仕事は合っているのか、どういう仕事が自分に合っているかを知ることで、辞めるべきかを判断する手助けになると思います。

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