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私が社内SEとなる前、初めてIT業界に足を踏み入れたのは1999年でした。首都圏のソフトウエア開発会社で4年ほど勤め、地元のソフトウエア開発会社へとUターン。そこで4年ほど勤めた後、個人受注したシステム開発案件を2年ほど行いました。

このような職歴を経て、精密機器生産工場の社内SEへと辿り着いたわけです。

何故、社内SEの道へ足を踏み入れたか。率直に申し上げると、恥ずかしながら、前向きな理由は御座いません。当時は2006年の公益通報者保護法の制定以前の偽装派遣全盛期。「人の投げ売りに被害者ながらも加担してしまっている。」この状況から抜け出したい一心でした。

とは言うものの、現実的に簡単に足抜けできるようなアテもコネも無い私が取り得る窮余の選択が一般企業のシステム担当、いわゆる「社内SE」だったわけです。

そこで10年ほど勤め退職し、変な話ですが、現在転職活動を楽しんでいます。当然ながら、社内SEになったことも、社内SEを辞めたことも、一切後悔していません。

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社内SEを辞めたくなった理由

社内SEは、まるで「生贄」

「社内SE」という職種は一つでも、「どの会社の」という部分においてその労働環境は千差万別だと思うんですよ。

私が以前在籍した会社では、様々な「システム化計画」が音もなく立ち上がりました。そして、上司が無根拠なお花畑のような資料で稟議を起案し、承認を得て・・・

何ができて何ができないのか全くコミットせず、選定基準も明確にせず機材を見積り・・・

いよいよ購入決済!お金が動く寸前で担当SE(私)に丸投げ!以降の打合せには参加せず、予定すら入れさせずに逃げまわった挙句、「私は知らない。SEが勝手にやった。説明会を要求する!」

当時の私は、まるで天変地異に巻き込まれたかのように物事を掻き回され、成すすべなく負の連鎖の中心となってしまいます。社内中からは、まるで「疫病神」のような扱い・・・。

J‐SOX対応以前の労働環境で、私は常に、上司の責任を擦り付けられていました。

分からないなら、せめて黙っていて欲しい

忘れもしない、1年目の人事考課資料として面接時に渡された文章の中には、

「何を言ってもハイとしか言わない」
「趣味で仕事をしている」
「私はこんな指示はしていない」

打合せすら拒否する上司の言い訳が並んでおりました。これが社長承認まで行くわけです。今でも身震いするほど腹が立ちます。今ならパワハラで訴えられますよね。

後々察したのですが、この上司は、私が部下である間、自分が失敗したシステム化案件を幾度となく蒸し返して、同じ失敗をさせようと仕向けて来ました。自分の失敗の道連れを作って正当化する為に。

「ほら、俺だけじゃないよ失敗したのは」ってなもんです。「する」ということ「だけ」が決まっている案件。これは本当に要注意でした。

と、ここで書くのを止めると一方的な被害妄想に成り下がりそうですので補足します。

この時一旦頓挫し、散々な目に遭ったパワハラ案件は、後に別の部長様と二人三脚で運用に漕ぎ着けることができました。現場の声を極力反映し、当然、全く違うシステム構成で!!

SEという言葉への先入観①

社内SEとして働く私にとって、「システムエンジニア」という言葉に悪い先入観を持つ人から「揚げ足」を取られることは本当に日常茶飯事でした。

その多くの場合は、社外のベンダとのやり取りの中で、鼻につくようなITワードを連発された人や、保守契約などで木で鼻を括ったような態度を取られた経験のある人。

このような人達に、微に入り細に入り悪意むき出しの突っ込みというか・・・

ハッキリ言って邪魔をされることが多かったです。

SEという言葉への先入観②

社内SEとして働く私にとって、承認行為は正に魔女裁判にかけられているようでした。

世の中にはシステムエンジニアのような専門性の高い職種に嫉妬しているのか何なのか、とにかく何でもいいから横槍を居れることだけが己の存在を示す方法となってしまっている人が存在するんですよ。しかも管理職に!

そしてこのような人達から常に斜に構えた態度をとられ、承認行為でも陰湿な差し戻しを食らうのが社内SEとしての私の日常でした。思い出すのが辛くなってきます・・・

これまで何度、的外れな「そもそも論」を捲し立てられ、結果として対策ジャンプのような正しくない努力を強いられ、時間を盗まれたか・・・時間泥棒め!!

間接人員削減担当

入社3年目くらいまで、他の従業員から村八分に近い状態になっていた時期がありました。

業務効率化の数的な結果を受け入れてしまうと、共に働いている仲間が異動になり、定年退職した従業員の代替人員補充がされなくなるわけですから、社内SEは疫病神以外の何にも形容できないような無用な存在となるのです。本当に目の敵だったんです。

作業の効率化を進めようとすると、ベテラン従業員が己の怠惰や過失を「起こり得る例外」にスライドさせて妨害するといった状況が頻発しました。
「お前、酷い目に合わせてやるぞ!」と面と向かって言われると前向きになれませんよ。
まるで、自分たちの平和な日常を奪う疫病神!っといった扱いです。

社内中の尻拭いに奔走。何の労いもなく顎で使われる

私の経験上、業務上での己の過失を責められた作業者は、自分への追及を交わすために、必ずといってシステムを腐し出します。時に帳票レイアウト、時に処理仕様・・・

挙句の果てに「この機能を使えるシステムが悪い」。

なんだその言い草は!

とにかくシステムのせいにすれば良い。SEの所為にすれば丸く収まる。この状況を、当時は上司もグルになって作っていたのですから、正に地獄。社内SEは、私は、ゴミ箱ではないんですよ。

大型連休は強制ロシアンルーレット

社内インフラ設備は業務が動き続けている限り、止めることができません。とは言え、定期的なメンテナンスは必須ですから、ご想像通りゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始は大騒動となります。

動いている機械を止めてしまったが為に故障してしまうという事が本当によく起こります。最悪の場合業務停止になりますから、本当にゾッとするような経験が山のようにあります。

1カ月間、メールサーバが断続的に落ち続けた時はもう針の筵でした。

自動化という名の業務請負

例えばFAXの自動送信化。例えば注文データの自動配信など、実務作業者の手から離れた様々な作業が、当然のようにプログラムとして定期的に動いているわけ何ですが、一旦それが止まってしまった場合、リカバリするのは当然、社内SEである私となります。

このようにして、現場から巻き取った実務上のリスクをどんどん抱え込む結果になってしまうのが社内SEの運命なんでしょうか・・・

何も起こらない事への評価基準が全くない

私が最後に受け取った人事考課資料には、ポツンとこのような文言が記されていました。「当たり前だと思います」

社内SEは心血を注いで「社内の業務トラブルを未然に防ぐ」様々な施策を提供します。当然、その結果は数的な根拠をもって実績報告をします。その報告に対する評価が「当たり前」とはどういう意味?心血を注ぐのが当たり前?何も起こらないのが当たり前?

今思い出しても、よくこの仕打ちに耐えていたなと自分を尊敬してしまいそうですよ。

私は社内SEの職責への敬意が全く払われない為、辞めました

「SEになら何を言っても、どのような不条理を押し付けても良い」

私が社内SEを辞めようと決断した理由は、その職責に対する敬意が全く払われなかった事に尽きます。本当に報われない、今思い出しても泣きたくなるような日々でした。

これが社風なのか、社内SEの相場なのかは私には断定できませんが、相応の高給でも無い限りこのような扱いに甘んじる筋合いは全く無いと思います。囚人じゃ無いんですから!

このような状況を私が物分かり良く受け入れてしまったら、絶対に私の人生は変わらない。

私が会社を辞めてから1年に渡って、決算期に連絡が来たり、挙句の果てには家まで押しかけられたりしました。2時間で良いから来てくれなどと、どの口が言うか!恥を知れ!!

社内SEを辞めるべき人・辞めないほうがいい人

社内SEを辞める前に考えるべきことがあるかどうか・・・経験則でいうと、私は退職を申し出てから、実際辞めるまで引継ぎに半年掛かりました。

主に決算期のEDP処理の引継ぎでしたが、これが思い掛けなく相当なストレスとなりました。挙句の果てには、生まれて初めて体中に帯状疱疹が出る始末。

ということで、満を待して来月辞めます!と退職を表明するのではなく、半年から1年は会社にいることを逆算したうえで、以降のスケジュールを立てるべきであると思います。

そして最後に、他業種に持ち込めるスキルを今自分が持っているか、もしくは、逆に現在の自分のスキルを持ち込める他業種を探して、未来の自分のイメージを固めていって下さい。

辞めるべきではない人

  • 新入社員
  • 辞めた後の身の振り方がぼんやりとでも想像できない人
  • 辞める前にこれだけは・・・など職場に未練のある人
  • 辞めることへの具体的な懸念事項が思い浮かぶ人
  • 貯金がない人

総括すると、社会人生活自体に慣れてない人は勿論のこと、金銭的な事を含め、辞めた後に懸念がある人は勢いで離職しても幸せにはなれないと思うんですよ。

そういう時は、一旦休職、「プチ退職」して冷静になりましょう。

辞めてもいい人

  • すでに転職先を決めている人
  • 自分は他の職種でも貢献できると根拠をもって他人に説明できる
  • 今の会社の従業員を見渡して、自分が遜色なく働いていると感じる人
  • 業務上不可避な事柄で、文字通り死ぬほど悩んでいる人

総括すると、転職できる人は正しい努力をして、離職して下さい。具体的に言うと、様々な職場を見て、これならやれるとホッと安心できる人。

もっと言うと、そこで働く自分の姿、貢献している姿がイメージできる人。この境地に達している方は、どうぞ、ご自身の未来を形にしてください。

それとは別に、理屈抜きで、死ぬくらいなら投げ出して逃げるべきであると考えます。その際は、他のことなど一切考えずに、自分のことだけを考えてください。

社内SEからのおすすめ転職先

カスタマーサポート

社内SEとしての経験が直接的に流用できる可能性が高いです。

社内SEとして何でも屋のような雑多な業務に従事してきた人なら、カスタマーサポート業務一本に絞って知識を集中させたほうが正当な評価を受けられるかもしれません。

当然、採算部門としてクライアントと向き合う事になろうかと思いますが、それでもやはり社内SEとして際限のないクレーマーと無益に対峙するよりはマシかもしれません。

インフラ保守系エンジニア

この選択もまた、社内SEとして仮想サーバなどの管理、運用を行った経験のある人にとっては、選択肢の一つとなり得ると思います。

現在のスキルでまずはスタート地点に立つ事が出来て、確立された評価基準のもとで業務に集中したい人にとってはこれは魅力のある選択ではないかなと考えます。

当然この職種も採算部門としてクライアントと向き合う心構えは必要かと思いますが、だからこそ、遣り甲斐や手ごたえも感じるはずです。

IT関連製品のセールスエンジニア

社内SEとして報われない開発を強いられている方にとっては、この選択肢は一考の余地ありなのではないでしょうか?

サポート終了だなんだと、訳の分からない理由で今までの蓄積ドッシャンガラガラ!何ていう目に遭わないというだけで清々しませんか?技術的な観点から、クライアントに様々な提案を行う。

また、営業ですからクライアント先の機材の保守なども行う可能性が出てきますが、何といっても社内SEから開発を除いたような業務はスライド転職には適しているのではないでしょうか?

社内SEから転職するときのポイント

極力、現職と並行して転職活動を完遂したほうが良い

身も蓋も無いことを書いてしまいますが、出来るのであれば、是非とも転職先を決めたうえで辞めてほしいです。

当然、フルで働きながらどれほどの活動が出来るのか、限界があると思いますので、焦らずに、まずは情報収集を行ってください。

最低でも、年収1年分の貯えはした上で・・・

貧すれば鈍するという言葉の通り、金銭的余裕が無くなると選べる選択肢が激減してしまいます。

これはもう確実にそうなりますので、最低でも年収1年分は貯えた上でないと、悔いのない転職活動は難しいのではないかと思います。

退職前後の急激な生活環境の変化で体を壊さないように気を付けて

これは私の個人的な経験なのですが、退職前の引継ぎ作業のストレスで体中に帯状疱疹が出て、退職後一時期、神経性うつ病と診断される状態に陥ってしまいました。

私は元来こういったメンタルヘルス系の疾患に懐疑的で、というか全く信じておらず、心の傷など時間が解決するさ!くらいに思っていたのですが、とんでもないです。

ノイローゼ、および、鬱と呼ばれる状態を身をもって体験する羽目になりました・・・

燃え尽き症候群にならないよう、生活のテンポを落とし過ぎないよう気を付けてください。

まとめ

冒頭でも書かせて頂いた通り、「社内SE」という職種は1つでも、その実際は従事する業種に紐づいています。もっと言うと企業の社風によっても大きく違うと思います。

この前提を踏まえて、この記事を消化して頂ければ幸いです。

私の送った10年の「社内SE人生」は、昨今のコンプライアンス遵守や社内統制強化の流れで改善傾向にありました。

しかし、だからと言って、私には社内SEの地位の低さを受け入れることは断固としてできませんでした。これは離職し、他業種を垣間見た結果として寧ろ思いを強くしています。

最低限の敬意も払われず、何の報いもなく、誰とも分かち合えない責務に耐えること。これは律儀かどうかは別として、社内SEとして10年の職務経験を積んだ者には、もはや正しい努力ではないと思うんですよ。

では、正しくない努力とは何か、単純明快。徒労です。現実に差し込まれ、なし崩し的に徒労を強いられ、その結果たとえ同情を買えても、給料以上で売ることは出来ませんからね。

様々な方が、様々な現在位置から一歩踏み出していかれると思います。もし転職したいと思われている方に何かを言い残せるかと考えました。

「自己防衛本能を磨き、逆手に取れるものを探し出してください。」

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問:あなたが解決したいお悩みは?
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この記事の監修者

株式会社eia

 

この記事の企画・監修者は株式会社eiaです。クラウドソーシングサービスより実際の体験談の執筆依頼・インタビュー調査した内容をまとめた記事になります。

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